【現地本部長日記】「食品の放射線量測定」

掲載日:2011.07.04

週末のNHK番組、「広がる放射能汚染」を観ました。チェルノブイリ事故から四半世紀。今なお、続いている放射能との戦いのすさまじさに、これからの福島県が重なりました。しっかりとした住民の健康チェック、地域のきめ細かい除染、などとともに、小学校に食品の放射線量を測ることができるゲルマニウム半導体検出器を配備し、物理の先生を訓練して、牛乳や野菜などの放射線量を調べ
る住民サービスを行っているという報告は、大変参考になりました。

現在、このゲルマニウム半導体検出器は各大学や千葉市の財団法人日本分析センター、最近では郡山市の福島県農業総合センターに配備されています。私の下で毎朝11時から開く全体会議でも、現地対策本部の放射線班から水道水・地下水・原乳・牧草・農畜産物・海産物などの放射線量の検査結果の概略が報告されるのですが、あくまで行政の判断で測定する場合にのみ活用されています。つまり、一般の方々がたとえば家庭菜園で作った野菜を検査してほしいとったニーズには応えられる体制にはなっていないのです。

今後、線量の高い地域の住民の日々の不安感を少しでも緩和・払拭するためには、ガラスバッジ(累積線量を測りますが、リアルタイム表示はできないもの)やガイガーカウンター(累積線量や毎時全量をリアルタイムで表示できるもの)、ホールボディーカウンター(内部被曝を測定するもの)などと同様に、この検出器も数を増やし、住民の身近な測定ニーズに対応できるように体制を強化していきたいと考えています。

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