【現地本部長日記】「3首長とのご面会」

掲載日:2011.06.24

今日は三人の首長さんを訪問しました。最初は浪江町の馬場町長。私の着任早々の会議で、「沢水」のお話をされた方です。町役場は今は二本松市内に仮設です。今日も会話のほとんどは、3月11日から15日までの町民の避難状況についてでした。浪江町は町の形が太平洋岸から西北西に伸びた形をしていて、今回、東京電力福島第一原発の爆発時の風向きが、不運にもちょうど北西方面を向いていました。浪江町も海岸地域は津波で壊滅し、その地域からおよそ8000名が3月12日の午後、ちょうど1号機が爆発をした後に、町内にある津島地区の公民館に避難、そこで15日までを過ごしました。まさに着の身着のまま、食料も無く、近所の農家から頂いた米を「沢水」で炊き、小さなおにぎりにして、皆で分け合って、一日一食程度、食べたそうです。こうした事情から、内部被曝に関する町民の不安は特に強く、今月末から始まるホールボディーカウンターでの測定も、浪江町の住民を(飯舘村、川俣町の一部と並んで)最優先に行うことにしたのです。

次に二本松市の三保市長を訪ねました。二本松市は福島市の南に位置し、川俣町の計画的避難区域とも隣接しています。線量は福島市よりやや高めで、だいたい毎日1.5μシーベルト毎時と新聞では報道されています。福島市同様、特別の区域設定の対象ではないものの、一部地域の線量が高いということで、小さい子を持つご家庭の心配は尽きません。子どもたちの夏休みをどう活用するかは、住民の安心を取り戻す上で極めて重要であり、私としても可能なバックアップをしていこうと思います。ちなみに「福島キッズ」という作家の田口ランディさんらによる取り組みも、大きな支援の輪が広がりつつあります。

最後は伊達市。仁志田市長とは色々意見交換をしましたが、いま伊達市はいわゆる「ホットスポット」で注目されており、マスコミが大勢押しかけておりました。市長との面会の後の記者対応でも申し上げましたが、ホットスポットに関わる指定は、今月末を目途に鋭意取り組んでいます。住民の声をしっかり受け止めている自治体、市長との緊密な連携が何よりも重要と肝に銘じて調整を行っております。この課題に関しても、やはり重要なことは、子どものいる家庭への特段の配慮だと思います。

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