【現地本部長日記】「地熱発電、色々な可能性」

掲載日:2011.06.22

原発がこのようなことになり、私も経済産業大臣政務官の立場から、あらゆる再生可能エネルギーの可能性を、改めてゼロベースで精査するように役所の事務方にも3月から指示をしてきたところですが、その一環で、火山国、温泉大国のわが国には、地熱発電が可能性大ではないかと思うようになりました。さらにそれに拍車を掛けたのが、大臣室で週一回やっている有識者懇談会の場での、メンバーの一人、立花隆さんによる地熱発電についての文字通りの”熱弁”でした。

当初は国立公園法だの、温泉法だのの規制緩和が重要だ、というような話が多かったのですが、しばらくして「低温バイナリー発電」すなわち、「温泉発電」というものに注目するようになりました。ポイントは、従来の温泉組合との利権争いから、温泉組合の生き残りを掛けた事業ポートフォリオとしての発電事業です。いま、福島県の温泉街はどこも風評で苦しんでいます。観光地の会津も例外ではありません。そういう事態に追い込まれた今こそ、これまで共存が難しいと言われてきた地熱発電を再考し、新たな「温泉発電」の技術・事業の両方に温泉経営者の方々が関心を持ってくれるのではないか、と思います。

この温泉発電は、実は現在、新潟の松之山温泉で環境省予算での実証実験が行われています。この温泉発電のハード(設備)は、現在、アメリカからのライセンス契約で提供されているようなのですが、この製造業そのものを福島県へ誘致する、つまり再生可能エネルギー事業向けの装置の製造を福島でやる、という可能性も考えられます。

いずれにせよ、原発で大きなダメージを受けた福島経済を立て直すためにも、あらゆる可能性を追求していきたいと思います。

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