【かなめ日記】「エネルギー技術立国を目指して」

掲載日:2014.05.26

先日、衆議院では、電力システム改革の法案審議を終えました。地域独占と総括原価主義に守られて来た電力産業を、より時代の要請に合わせた仕組みに変えていく内容です。安倍総理は、これも打ち破るべき岩盤規制と位置付けています。3.11という試練も加わり、避けては通れない一連の大改革の制度設計を、様々な観点から議論いたしました。

世界の先進国の中で、このシステム改革を終えていない国は、今や日本だけとも言われます。電力料金をなるべく抑制する、決して大規模停電を起こさない、温室効果ガスをなるべく出さない、日本の持てる資源を最大限に活かす、そして原子力にはなるべく依存しない社会を一日も早く作り上げる。簡単な方程式ではありません。しかし、やり切るしかありません。そして、その過程での様々な経験を活かして、アジア全体に新しいエネルギー社会の仕組みを水平展開し、我が国の成長の原動力とするのです。

興味深い技術革新の話が雨後の筍のように登場するのも、この分野の特徴です。先日政府が発表したエネルギー基本計画にも、水素発電や宇宙でソーラー発電して無線で地上に送電する技術の話も出てきます。また、モンゴルなどで大規模に発電し、技術革新の目覚ましい直流送電により送電ロスを抑えながら、この電気を日本に持ってくる、こんな議論もそろそろ実行に移すための政治決断の節目が近づいているように感じます。私も安倍総理にそのご提案をさせていただきました。政府の踏み込みが足りない部分は、これからも大胆に政策提言して参ります。

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