学校のエアコン問題について

掲載日:2018.07.30

いきなり41度を超える最高気温のニュースが流れ、何か日本も未体験ゾーンに突入した感があります。延長国会終了と同時に、地域の夏祭りシーズンが始まっていますが、行く先々で話題は専ら学校のエアコン問題です。「東京の公立小中学校の普通教室には全てエアコンが入っている」「千葉県は設置率が低い、特に千葉市は導入ゼロだ」「とにかく早くエアコン入れて」と至る所でお声を頂戴します。

無理も無い暑さです。実は昨年までも、私も問題意識を共有し、千葉市とも話をして来ました。千葉市も決してサボっていた訳では無く、厳しい財政事情の中でこれまでは、一に耐震化、二にトイレの洋式化などの改修、そして三にエアコンという優先順位だった様です。もちろん市民から選ばれた市長と市議会議員が議論しながらの判断だったはずですが、状況に応じた臨機応変の軌道修正も時に必要です。最新の情報では、エアコン設置に向けて動きはある様ですが、一気に全てとはならず、市内の全校設置の完了までには5年を要すると言われています。

さて、そこで問題は、その間どうするか? 私には何ができるか? です。まずは言うまでもなく、予算的に国からの支援措置が増やせるかを探ります。自然災害に準じると位置付けてもおかしく無い状況ですので、優先度は高いはずです。ただし限られた国の措置となると、千葉市より気温の上がった地域が優先されることになるのかも知れません。

次に、全く別の次元から考えるべきは、夏休みの期間の設定です。たまたま先週欧州にエネルギー視察に行きましたが、例えばエストニア国の夏休みは6月後半から8月一杯までと長期でありながら、同国はフィンランドと並んでPISA国際評価では世界有数の教育水準です。もちろん日本も現在でも公立小中学校の夏休みは全国一律ではありませんが、その大幅弾力化、拡充を検討すべきです。「そんなことしたら、親が大変だ。」確かに、働き方改革にも関係しそうです。

更に、エネルギーの技術革新による改善策です。もちろんこれも一気にという訳には行きませんが、エアコンを導入すれば、初期投資に加えて、継続的に電気代が掛かりますので、考えておく必要があります。一つは、学校の屋根上ソーラーです。既に名古屋市などで進んでいる様ですが、自然エネルギーの発電を学校で行うことは、学習効果に加えて、災害時の避難所自立機能としても重要であり、将来的には電気代の節約にもなります。

二つには、聞き慣れないかもしれませんが、「地中熱」の活用です。「地熱」ではありません。地下数10メートルの場所には年間通じて17度前後の層が有ると言われています。これを熱交換技術で活用すれば、夏は冷房、冬は暖房になります。世界では、5年前に視察をしたオランダが最先端で広く普及していますが、日本でも漸く学校や介護施設で手掛ける事例が出てきています。電気代も節約が期待できます。さらに調査をします。むしろこれこそが、私の目指す分散型の自然エネルギー社会の実現という意味からはエアコン以上の本命です。

暑い夏は暫く続きそうです。また、来年以降のことを考えると憂鬱でもあります。こんな時こそ、頭を冷やして、先例に囚われない政策を考え実行に移していきたいと思います。皆さまもくれぐれもご自愛くださいます様、お願いします。また、このエアコン問題につき、皆さまのご意見も是非お気軽にお寄せ下さい。

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