| 株の世界に「損切り」という言葉がある。どういうことかというと、ある銘柄の株を買い、その株価がズルズルと下がってしまった場合、プロは2割とか下げれば必ず売るといったのルールを忠実に守りその株を売ってしまうということだ。この損切りが実は素人にはなかなか出来ない。素人は往々にして、もう少し待てばまた値上がりするかもしれない、と淡い期待をしてしまう。もちろんそのようなことも、あるにはある。ただ、株の世界の経験則として、2割とか以上下げてしまった株がまた回復するのを待つよりは、別のもっと期待の持てる株に乗り換えた方が絶対に得なのだ。理屈ではなく、そういうものなのだ。
この損切りを政治の場に当てはめるとわかりやすい。自民党政治がずーっと続いている。つまり、有権者は損切りのタイミングを逸してしまったのだ。10年前にも損切りすべきであった。だが、辛抱強く待てば、また調子が良くなるだろうと淡い期待を抱いて今日まで来てしまった。そして10年間以上の「塩漬け」が続いている。
株の場合、鉄則は自分の余裕資金で投資するということだ。だから、このように塩漬けになってしまっても、自分の判断を悔いるぐらいで、実生活には余り影響が出ない人が多い。だが、政治はそうはいかない。塩漬けの結果、実生活はどんどん悪くなっている。ではどうするか。答えは一つ。今すぐに損切りすることだ。確かに勇気がいる。10年前に損切りするのとは、わけが違う。損失が大きいのだ。だがそれしかない。そして新しい銘柄に投資する。株のように、しばらく現金のまま投資を控えるということは、政治の世界ではできない。だれかに、どれかの政党に国政をゆだねる必要がある。新しい選択は常に不安だ。未知だからだ。でも、そんなに心配することはない。今度の新しい政権がまた「値下がり」すれば、こんどこそ損切りすればいいのだ。民主党は幸いマニュフェストを掲げて政権を獲る。つまり、マニュフェストの実現具合が、損切り判断の決め手になってくるわけだ。
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