| 1997年、イギリス労働党がブレア政権を樹立したのは、阪神タイガースの優勝と同じ18年ぶりのことであった。「第三の道」という政策理念に基づいてマニフェストを掲げ、政権交代を実現した。「わが党の候補者であれば、たとえ豚が立候補しても投票する」これは英国有権者の間で語られるジョークだ。英国では、それほど政党本位、政策本位の選挙が行われる。97年の選挙を現地で見聞した藤盛克彦氏(「構造改革 ブレア流」の著者。TBSブリタニカ)は、同著の中でこう述べている: 「驚いたのは、街に出ても静かなもので、候補者が選挙カーに乗って『○○候補です。がんばってます。』とスピーカーで個人名を連呼する光景を一度も見なかったことである。・・・候補者個人のポスターをずらりと並べた立て看板を見ることもない。ほんとうに選挙期間中なのかと疑うほどである。」
民主党のマニフェスト草案が出た。日本の政治にとって大きな一歩である。これで、民主党は逃げも隠れもできない。結果責任を問われるのだ。英国のように、このマニフェストが街で一冊数百円で売られるようになるためには法律改正が必要のようであるが、日本の三流といわれる政治を終わらせるためにはこれからが正念場だ。政党や政策ではなく、「あの人はいい人だ」という理由だけで国会議員が選ばれ、議員が盆踊りや支持者との一泊旅行を最重要の活動と考える政治風土は、この日本でももうそろそろ卒業したい。リーダーの資質は、そのリーダーを選ぶフォロワーの資質の問題でもある。次の総選挙は、まさしく日本人の「民度」を問う政権交代選挙になる。 |