| 大抵の政策には、様々な仮説に基づく将来予測が必要です。ある政策に予算を組む。そして政策を実行して効果を測定する。本来、この当たり前の費用対効果の測定が必要です。それが納税者への責任というものです。もちろん、実際には効果を測定するのが困難な政策も多々あるでしょう。しかし、少なくともダムとか橋とかの公共投資などは、その政策が費用に見合う効果をもたらしたかの測定が可能です。
モラルハザードという言葉があります。銀行がお金を貸す際に、担当者が「どうせ資金を回収する頃には、自分はいないから関係ない」といった無責任な心理のことを指します。これが、あの不良債権問題の一原因なわけですが、言ってみればこれまでの官の税金の使い方というのは、この手のモラルハザードが例外ではなくむしろ恒常化していたと言っても過言ではないでしょう。狸しか出ないようなところへの立派な道路や、人影少ない豪華設備の公共施設などの話は、誰もがうんざりするほど聞かされています。
なぜこんなことがまかり通ったのか。原因は色々あるでしょうが、一つには官の思い上がり(「お上は決して間違えません」)、二つには、政治家のモラルハザード(「後のことは知りません」)、三つには、官に都合のいい予測を検証できるスキルや能力(あるいは良心?)が政治家に備わっていない(「難しすぎて分かりません」)からではないでしょうか。
「当たり前のこと」をやる。今の日本の政治は、これだけで見違えるほど良くなるはずです。民間企業であれば、とんでもない投資をした経営陣は株主から退場を宣告されます。そして、将来に責任の持てる若さと能力を兼ね備えた経営陣に取って代わります。そろそろ政治の世界でも、株主たる私たち有権者が、今の経営陣に退場宣告をする時が来ているのです。
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