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天下りの罪
   
民主党が天下りの禁止をマニフェストに盛り込んだ。今までのように天下り自粛というのではなく、禁止するのだ。これが実現すれば、溜飲を下げる民間人は多いだろう。役人が、自分で自分の第二の人生を切り開くようになれば、この国は少しは明るく、そして公正な国になるはずだ。

天下りはなぜ罪か。渡り鳥人事で、数年ごとに天下り先を移り、そのたびに破格の退職金を手にする。明らかに税金泥棒である。厄介なことに、官僚の中にはそれが官僚の当然の権利だと思っている者がいる。国家のために薄給で奉仕してきたのだから、と。

だが、私は、天下りの罪は単にお金の問題だけではないと思う。もっと大きな罪は、天下りがその組織の活力を奪い、民間人を卑屈にすることだ。プロパー社員として、その組織に就職した人がいるとしよう。しばらくして、その人は気が付く。どう頑張っても、自分はその組織のトップにはなれないことを。天下りという不思議な仕組みで、組織に何の貢献もしていない人間が突如、組織のトップに就く。これが、どれほどそのプロパー社員の意欲を喪失させることか。天下りしてくる人間はハナッカラ頑張る意欲もないが、天下りされる側は頑張る意欲を奪われる。特に組織のトップに天下りを受け入れる組織は最低だ。

役所を就職先に選ぶ人間も、若い間は天下りなどには興味がないことが多い。それが、年を経るに連れ、自分の昇進にも限界が見え始めると、天下りに並々ならぬ関心を抱くようになるそうだ。そして、組織も徹底的に天下りの世話をする。「どうして民間なんかに行くんだ。ここにいれば65歳までは天下り先を保証できるのに。」ある私の知り合いが、某中央官庁に嫌気が差して退職を申し出たとき、人事担当課長に言われた言葉だそうだ。

 
2003年10月02日
田嶋 要
 


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