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組織憎んで人を憎まず

地方の某首長から、今の三位一体の地方分権改革に関する現場からのお話を聞く機会があった。要するに、中央は現場を全く分かっていない。いや、分かりたくない。そして今の官僚組織の視野狭窄、権力への執着を分かりやすく、具体的に説明して頂けた。

だが、私にはまだよくわからない。私にも官僚の友人、知人は山ほどいる。大抵の人は良い人だ。そりゃそうに決まっている。裸になれば同じ人間だからだ。そんな当たり前のことは、誰でも分かっているが、そこから先がよく分からない。なぜ、そんな人々が集ってできた官僚組織が、今の日本を不幸にし、これほど多くの問題を抱えてしまったのかということが。

柿は、腐るちょっと前が一番美味しい。熟した柿だ。官僚組織は、ちょうど日本の右肩上がりの時代に、熟した柿だったのではないか。道路公団のような特殊法人だって、年金制度だって、グリンピアだって、あるいは官僚の天下りだって、制度が出来た時には、それなりのもっともな理由があって出来たのだと思う。良かれと思って、それなりの使命感を持って生まれたのだろう。それが時と共に、次第次第におかしくなった。柿が熟すように、日本社会が成熟した。そして、その時期が過ぎると柿は腐り、官僚組織は功罪相半ばを通り過ぎて、罪ばかりが目立つようになってしまった。それが、人間のつくる組織の恐ろしさであり、限界である。

多くの官僚も、これではいけないと気付いていることだろう。だが、官僚組織の中にいて、どこから手をつけたらよいか、考えあぐんでいるのだろう。我々が挑戦している日本再生は、一見、官僚を敵に回しているように見えるかもしれないが、実はこうした“気付き”の起きた官僚たちと力を合わせることによってのみ、展望が開けるのだと思う。

 
   
2004年2月25日
田嶋 要
 
 


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