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実は私はダイバーである。ダイバーだった、という方が正確かもしれない。2000年夏
にフィリピンから帰国してからは、沖縄に一度行ったきり、さっぱりである。でも、
フィリピン時代には100本以上潜った。多くの同僚はゴルフに凝っていたが、私はむ
しろこっちに凝った。ギンガメアジやハンマーヘッドなど、思い出しても感動の場面
はたくさんあるが、中でも圧巻は、ジンベイザメである。ソルソゴンという村で、体
長15メートルもあるかという奴に遭遇した。その時私は水面に浮かんでいた。突然ジ
ンベイザメが私の方向に向かって浮上を始めた。私は興奮した。今まさにジンベイザ
メが私の真下から水面下に出てきたときに、私はそのジンベイの背びれを掴もうとし
た。いわゆるサメ肌というやつだった。ジンベイは私のその動作を嫌がり、尾びれを
思いっきり振って海中へと入っていった。間一髪の命拾いであった。その一部始終
が、知人の撮ったビデオに収まっている。
もう一つ、別の意味での圧巻は、アニラオというところでダイブを終えて水面に戻っ
たときである。頭を水面から上げると、見渡す限り果てしなく、捨てられたビニール
袋で水面が覆われていた。素晴らしい水中の景色に感動して戻ってきた自分に、その
光景は余りにも衝撃的だった。人間が長い年月にわたってずーっと怠けてきたツケ
が、国境を越えてこんな景色を作るんだなぁ。多くのビニール袋には、日本語や韓国
語、中国語の印字があった。
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