|
先日の日記に、金融機関の信用の話を書いた。今日は、官と民の信用の一般論を書
く。日本ではよく、「国がやっているから心配ない」というようなことを口癖に言う
人がいる。いわゆる官尊民卑の発想である。しかし、民間にいた人間の一人として、
私はずーっとこの思い込みは誤りではないかと、直感的に思っていた。といっても、
具体的なデータは今日まで見たことがなかった。そして今日出てきた政府答弁書によ
ると、2001年4月から04年5月までに公的機関や民間事業者から個人情報が流
出した事案は378件に上った。そして、国、地方公共団体、独立行政法(独法)な
どは計254件で、民間の124件を大きく上回った。
このデータ一つから全てを推し量ることは危険であるが、しかしこのデータの意味す
るところは重い。競争がある民間の企業は、信用を失えば市場から見放される。今の
三菱自動車の苦悩を見ればそれは一目瞭然だ。だが、官の世界ではその当たり前のメ
カニズムが機能しない。社会保険庁がその典型例である。6月20日付け読売新聞に
も記事が載っていたが、一億人の年金情報を扱うこの役所の個人情報管理は本当に大
丈夫だろうか。恐らく、世の誰も、もはや大丈夫とは思ってはいないであろう。悪い
意味で、想像を絶する世界がそこには広がっているはずだ。年金データの自由な持ち
出し、不正利用が発覚しても処分なし、などなど聞こえてくる話は背筋が寒くなるよ
うなことばかりである。
ちょうど時同じくして、本日、新しい民間出身の社会保険庁長官が決まった。まさに
火中の栗を拾う方である。民主党が政権を取れば、国税庁と統合されていく組織では
あるが、少なくとも当面の間、民の良識とノウハウを発揮して、限界に来ている官の
世界を立て直していただきたい。いばらの道ではあろうが、日本のために避けては通
れぬ仕事である。
|