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教育力

 

伊香保、水上、有馬、石和、、、。白骨温泉の入浴剤使用問題に端を発して、有名な
温泉が次から次へと怪しいことをやっていたことが発覚してきた。最初は「白骨温泉
はけしからん」と息巻いていた人たちも、ここへ来て情けなさ、やるせなさで一杯で
あろう。もう、一体何を信じていいかわからない。もうどこの温泉に行ったらいいの
か分からない。そんな感じである。

もはや社会現象といっても良いくらいのこの状況から、唖然とした我々は、いったい
どんな教訓を引き出すべきなのであろうか。悪い話が例外的という場合と、悪い話が
一般的という場合とでは、おのずから教訓も変わってくる。平気で嘘をつく、人を出
し抜く、そしてそれにやましさを感じない。そんな空気の横溢した社会である。まさ
しく社会の「教育力」の長い長い年月の間の低下が、このような状況をもたらした原
因の一つとは言えないであろうか。温泉だけのことではない。日々新聞に掲載される
おびただしい数の事件、事故の背景には、同じ問題が潜んでいるような気がしてなら
ない。失われた教育力を、また同じくらいの年月かけて、少しずつまともなものに戻
していく。その地道な努力によってのみ、正直な真面目な人々が報われる社会が取り
戻せるのだと思う。


 
   
2004年8月12日
田嶋 要
 
 


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