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夏の甲子園が終わった。初出場・初優勝は逃したが、地元の千葉経済大学付属高校の活躍は目覚しいものがあった。私も甲子園に二度応援に行ったが、スタンドと選手の一体感は他では味わえない感動的なものだった。また、海の向こうではイチローが快進撃を続けている。大リーグ初の、新人以来4年連続200安打達成に向けて秒読みだ。イチローが大リーグでも通用すると思った多くの人々も、果たしてこれほどまでの偉業を予想したであろうか。
そんな中、日本のプロ野球だけは、ゲームや優勝の行方よりも、場外のことが気になって仕方が無い。ご案内の通り、今ある2リーグ制を止めて、1リーグ制にしようという動きが起きているのである。パ・リーグの多くの球団は今のままでは経済的にもはや立ち行かない、ということのようである。従って、1リーグ制にしてジャイアンツとの試合を実現し、それによって財政事情を改善しようというのである。
民主党は、このプロ野球界で今起きている動きに懸念を抱いている。なぜ、政党がプロ野球のことに口を出すのか? それは、プロ野球は単なるスポーツビジネスというレベルを超えて、公器であり、文化そのもの、国民の資産と言えるからだ。70年の歴史のある日本のプロ野球界の歴史を塗り替えうる1リーグ制への移行の動きが、ファンや選手を半ば無視する形で進められてよいはずがない。移行を推進しようとするパ・リーグの球団関係者は、合併や1リーグ制への移行は経営上の問題であり、従ってファンや選手が口を出す性格のものではない、といった趣旨の発言をしているようだが、それはコトを矮小化した見方ではないか。企業であれば合併や売却は基本的に当事者間で自由だが、「リーグ」というものはそれ自体が一つの生命体なのだ。それぞれの球団の経営という観点以外に、全球団で構成するリーグというものの公共性、文化性、魅力度が重要になってくる。
確かに台所事情が苦しいことは理解できる。しかし、性急に1リーグ制に移行することは、決してその台所事情を改善するためにもベストな方策とは思えない。むしろ、そのような縮小均衡の方向ではなく、しがらみを振り切って今までの古い体質を打破し、興行ではなく産業として日本のプロ野球界を発展させる拡大均衡の発想と実行力が必要なのではないか。緊迫感あるゲーム、多くのファンが球場に足を運びたくなる仕掛けを生み出す力はまだ十分発揮できていないのではなかろうか。「発揮できる」と手を挙げる者が出てくれば、偏見を持たずに、やらせてみてはどうか。また、既に複数関係者が提起しているが、中国や韓国、台湾、ロシアなどとの国際ゲーム、国際リーグを検討することは、野球という次元を超えて極めて意義深いと私も考えている。ワールドカップやオリンピックを引き合いに出すまでもなく、スポーツや文化というものの持つ力は、国際社会の安定の観点からも決して侮ることはできない。
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