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猛暑の8月が終わった。そして、アテネオリンピックも終わった。選手には失礼なが
ら、今回のオリンピックほど予想に反して日本人選手が大活躍したオリンピックは珍
しい。大体、経済が停滞して失われた10年がずーっと続き、政治は相変わらずであ
れば、オリンピックでも良い結果が出るはずが無い、というのが通常の世間一般の空
気ではなかろうか。そんな予想が見事に外れた。日本再生の前兆であろうか。とにか
く、今回のオリンピックは日本人に少し自信を取り戻してくれたことは間違いない。
それにしても「最多」続きであった。まず、日本の獲得金メダル数16個が過去最多
であった。ドーピング問題で、ハンマー投げの日本のヒーロー、室伏選手が最後に一
つ金を射止めた。ホーム東京オリンピックでの数をアウェーで上回ったのだから価値
がある。しかもあの頃の日本は高度経済成長の真っ只中である。今の日本とは勢いが
違ったはずなのだ。 次に、このドーピングで「クロ」になった選手の数も実は過去
最多である。検査精度は益々上がって、バレないはずがないと分かっていそうなもの
なのに、なぜこれほど大勢の選手が、誘惑に負けてしまうのか。「選手村にいるの
は、聖人君子ばかりではない」という主催者の言葉が悲しい。しかしオリンピックで
のメダル獲得は、特に貧しい国の選手にとっては一世一代の大勝負のような側面があ
る。ちょうど、命を賭して国外逃亡を企てる市民が後を絶たぬように、選手生命を賭
してメダルを得ようとするのであろうか。かつてアフリカの選手がマラソンで金メダ
ルを取り、その後一生遊んで暮らせるだけの賞金を国から貰ったという話を思い出
す。
そして、あの中国の金メダル獲得数も過去最多である。中国は今回20個以上の金メ
ダルを目標とし、その結果過去の累計で100個の金を目指していた。前回のシド
ニーでは28個の金で、米国、ロシアに次いで第三位であった。ふたを開ければ、今
回中国は何と32個の金、米国の35個に肉薄する堂々の第二位である。日本の16
個の倍である。日本より多くの金を取っているのは常であるが、しかしいよいよ中国
の時代を予感させる躍進である。国力は究極的には人口に比例するということが言わ
れるが、やはり日本の10倍もの人口を有する中国に、スポーツの世界でも頂点に立
つ人材が多くいるのは至極もっともな話だ。これから次の北京オリンピックに向け
て、いよいよ中国の黄金時代(と同時に危うさの蓄積)が始まろうとしている。
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