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備長炭

 

日ごろ我々が飲み屋などで使っている割り箸がほとんど全て輸入材というのは知って
いたが、焼き鳥屋などのあの備長炭もその8割が中国から輸入されているとは知らな
かった。その中国が、森林保護のために来月から備長炭の輸出を全面禁止するとい
う。日本の国内産の半値といわれるから、来月から焼き鳥などが値上げされるのかも
しれない。

しかし、実は私はこの中国の決断に大変敬意を表するものである。中国も捨てたもの
ではないと思っている。先の中国視察の際にも、最終日の某研究所との意見交換会
で、私は中国の経済発展と環境問題についての意見を述べた。日本や他の先進国が2
0世紀にたどった、同じ過ちの道を中国には絶対に辿って欲しくない。13億人を擁
する中国の指導者が、環境問題にどのような意識・認識をもち、どういう政策判断を
下すかは、21世紀の世界に決定的に重要な意味がある。ということを訴えた。私
は、本当に、中国の経済発展のお陰で(せいで)、日本の空が真っ黒になる可能性
を、真剣に心配している。今後の軍事面の懸念より現実的かもしれない。環境に国境
は無いからだ。幸い、中国指導者も、環境問題に極めて強い関心があることは確認で
きたが、同時に現状の中国の環境問題が極めて深刻な状況にあることも認めていた。

そんな視察から帰国した矢先に、今回の中国の思い切った政策判断である。中国は日
本のような民主主義国家ではない。だからこそ、一党独裁の強権発動によって、この
ような政策判断が日本などより迅速に行われるという余地もある。実は私は中国のそ
こに期待しているのだ。当然中国の輸出業者にとっても大打撃であることはまちがい
ないが、やはり世界最大の大国である中国は、より大きな観点から大胆な判断をする
ことがもとめられる。私のホームページにも書いているが、私は21世紀の日本が、
世界一の環境先進国として世界に指導力を発揮すべきだと考えているが
(http://www.k-tajima.net/policy_detail.html#2)、その意味で最も協調し、かつ
影響を及ぼすべき相手国は中国とアメリカだと思っている。私の中国での発言と今回の
政策判断はもちろん無関係であるが、中国の決断を歓迎したい。そしてまた、これか
らの国際関係では、今回のような環境問題に関係する突然の政策変更・決定が色々と
出てくるということを覚悟・認識すべきなのである。しかし、それを否定的に捉える
のではなく、21世紀の人類の挑戦ととらえ、今回の輸出禁止もこれをきっかけに日
本の技術革新でその苦境を乗り越えるプロジェクトXが始まったと捉えるべきなので
ある。試練があったほうが、人も国も育つのだ。



 
   
2004年9月28日
田嶋 要
 
 


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