国会会期中ほぼ毎日、郵政公社改革関連の勉強会がある。今日の講師は元財務省財務官の榊原英資氏であった。彼は元官僚ではあるがなぜか民主党の大応援団の一人で、昨年は民主党政権が成立した場合の財務大臣に名前が挙がったこともあるほどだ。今日の彼の話は、入り口議論としての郵政改革と、出口議論とが全く別物だというのがポイントだった。つまり、郵政公社を民営化しても、小泉総理や竹中大臣がよく言う「お金の流れを官から民へ」というのは全く起こらない。というか、法改正によって既に始まっている財政投融資改革によって、お金の流れの変化は起きており、約350兆円といわれる郵貯・簡保のお金の財務省理財局への預託は既に止まっている、というものだ。つまり今から郵政民営化をすることは、このお金の流れに何らの影響もない、というのだ。
多くの論者が既に指摘している点ではあるが、ではなぜ小泉さんと竹中さんは、にも関わらず郵政改革を推し進めようとするのか? 私が手を挙げてその点を榊原さんに問うた。彼曰く「小泉さんは、昔、加藤寛教授らが財投改革が始まっていない頃に郵政民営化を主張していた頃の頭から全く切り替わっておらず、今既に財投改革が進んでいることを全く理解していないのだ。なにせ小泉総理は全く勉強しない総理大臣なのだ。」よく聞く話ではあるが、こんなリーダーが日本の命運を決めているのかと、改めて愕然とする。そしてさらに彼曰く「竹中さんは小泉さんと違って頭は確かにい
い。金融もプロである。だから、彼のやっていることは『知的詐欺』である。小泉さんの『やれ』と指示することは、誤りと知りながらも実行するのだ。」そんな趣旨だった。今度は竹中さんにこれを聞いてみたい。
余談ながら私はもう一つ質問した。榊原さんは自分の古巣の財務省始め官僚組織に結構歯に衣着せぬ批判をする。丁度、堺屋太一氏のようだ。そこで私は「もともと榊原さんご自身があの財務省理財局で特殊法人などにお金を回す仕事をしていたわけだが、当時、『嗚呼、自分は本当は日本経済のために良くないこと(財投)をやっているのだ』という忸怩たる思いはなかったのか?」と問うた(若干勇気の要る質問だったが、あとから周りの議員らに感謝された)。それに対して基本的には彼はそのような思いがあったことを認めた。だが「それでも私は官僚を辞めませんでした。官僚と
は組織のためにそうするものなのです。」正確な表現は忘れたが、彼の発言趣旨はこんなであった。何とも重く悲しく、含蓄あるコトバだ。
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