中国の胡錦濤国家主席が小泉総理に対して、間接的表現ではあるが来年からは靖国参拝を止めて欲しい旨、公式の場で要請した。先に私が中国を訪れた時にも、靖国問題に関してはあらゆる政府要人の口から、まるで判で押したような同じコメントが出ていたわけだが、国家主席からの発言がこれほどストレートに出るというのは珍しい。
相当に中国国内世論からの風圧を受けていたことが想像できる。
靖国問題に関しては様々な議論があるが、中国がこの問題を外交カードとして繰り返し使い、日本との外交交渉を重要局面で有利に運ぼうとする意図があるのは間違いないようだ。どの国もまず国益を考えるという意味では極めて自己中心的なわけで、その目的のためには使える全てのカードを使うというのは、現実の国際関係の中では決して汚いことではないはずだ。そしてそういう意味では、この同じ時期に発生した中国潜水艦問題は、靖国問題で守勢に回っている日本にとって中国に切り返す絶好のチャンスだったとも言える。日本らしいというか、大人の振る舞いというのか、ナイーブというのか、日本政府は今回の潜水艦問題を大きな問題としては取り上げない方針のようだが、これが逆の立場だったら一体どんなであったろうか。軍国主義日本の脅威は中国でこれ以上無いほど喧伝されていたことであろう。
いずれにせよ、後の祭りである。こういうチャンスは滅多に来ないわけだが、そのチャンスの女神に後ろ髪はないのだ。
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