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奈良の事件を契機として、性犯罪の前歴のある者の居住地情報につき法務省から警察に情報を提供する動きが出てきたことは、以前この日記でも触れた(http://www.k-tajima.net/diary/0510114.html)。そして、その際私は、そのような情報提供を性犯罪に限定する点につき疑問を投げかけた。その声が届いたかのように、今回政府は性犯罪以外の再犯率の高い犯罪の前歴のある者も含めて、同様の措置の検討を始めることにした。言うまでも無く、先日愛知県の安城市で起きた痛ましい乳児殺害事件を受けてのものである。この狂気の事件に唯一の前向きな価値を見出すとすれば、腰の重い日本政府をようやくその範囲の検討まで至らせしめたということであろう。
ただ、再犯率というのは果たしてどの程度に信頼の置ける指標なのだろうか。10年も20年も前の初犯・再犯情報は果たして正確に保存されていたのだろうか。県をまたがる初犯・再犯情報は再犯率にどう反映されているのか。初犯が強盗、二度目が強姦のように犯罪種類が異なる場合はどう扱われるのか。未遂犯のケースは再犯率という点でどう扱われているのか。などなど疑問は尽きない。再犯率がアテにならないものなのであれば、再犯率の高い犯罪という条件をつけて検討をすることがほとんど無意味となる。むしろ全ての殺人・強盗・強姦などの凶悪犯罪を対象に居住地情報を警察と共有する対策を考えるべきではないか。
しかし、そこまでやるとしてもやはり心配な点がある。警察がそのような居住地情報を持ったとして、それが再犯の抑止にどのように役立つかという点である。既にそれが制度化されている国では、果たしてそのプラス効果が実証されているのであろうか。私はこの点かなり悲観的である。今すぐに社会的コンセンサスは得られないであろうが、どうしても将来的には、治安の更なる悪化を受けて、一般住民に対しても居住地情報を公開する制度の検討を余儀なくされることになるのではないか、と私は考えている。
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