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薬害エイズのような犯罪性はないのかもしれぬが、社会への広範な負の影響という意味では、スギ花粉というのも受忍しがたいものがある。特に今年は昨年の50倍の花粉が飛ぶとも言われており、戦々恐々の人も多い。今まで一度も患ったことが無いから大丈夫ということが言えないからこそ、誰にとっても不安である。
もちろん花粉症というのは日本だけの問題ではないのだが、こと日本のスギ花粉については、これは人災と言われてもしかたがないのではなかろうか。戦後、丸坊主になった山に生育が早いからとせっせと杉の植林を奨励した政府は、数十年後にこのような大きなツケを払うことになることを、予見できなかったのであろうか。花粉を飛ばす雄花の多い杉の伐採など、今頃になって具体的アクションを取ってはいるが、林野行政の懈怠は非難されるべきであると思う。もちろん、花粉そのものよりも都市部でのディーゼル排出による窒素酸化ガスとの結合が原因だとかの指摘もあるのだが、だからといって事態がこれほどまで深刻化するまで真剣な対応策を講じなかった行政全体に非が無かったとはいえまい。
スギ花粉の多さは、その前年の夏の暑さと関連が強いと言われている。ということは地球温暖化の影響も受けて、毎年この問題は徐々に深刻化することが懸念される。海外からの観光者も、この時期の日本を忌避するようになるだろう。10年後や20年後に効果を出す悠長な施策ではなく、もっと即効性のある施策を国が真剣に検討するべきである
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