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食糧自給率

 

 皆さんは日本の食糧自給率はどのくらいかご存知であろうか。70%?40%?実はどちらも正解である。金額ベースなら70%だが、カロリーベースならわずか40%なのである。国内産の食糧価格が高いゆえにこのようなギャップが生じるわけだが、いずれにせよわが国の食糧自給率が低いということには変わりがない。過去10年、先進諸国が自給率を上げる政策を取ってきた中で、唯一わが国だけがこの数字が下がってしまった。たとえばイギリスは10年前にカロリーベースで40%だったのが今は70%。日本はちょうどその逆なのである。日本政府は一体何をやっていたのであろうか。

 世界は相互依存が進んでいるのだから、食糧自給率など低くとも心配は要らないという主張もある。確かに輸入食材に依存するわが国の食糧安保というのは、現実的には輸出国にも大打撃を与える問題であるがゆえに、単に輸入国のリスクだけではない面はある。米国の牛肉輸入再開を目指した対日圧力の強さや、北朝鮮への経済制裁として特定農産物の禁輸を検討していることを考えれば、それは明らかだ。

 しかし、たとえ食糧安保の観点では問題が小さくとも、私はわが国の食糧自給率の低さは問題だと思っている。この食糧の問題は言ってみれば大規模小売店と地域の昔ながらの商店街との間の問題に類似した側面がある。つまり、海外の大規模な生産体制を持つ農業が、価格競争力の無い小規模な日本の農業を駆逐しているのである。地方都市に溢れてしまった“シャッター通り”同様、それは実に味気なく、寂しいことだと私は思う。「地産地消」という言葉があるが、日本の地域、地域で心込めて作られた旬の農作物を私は食べたい。トレーサビリティーの面でも、また環境への負荷という面でも、その方が優れているはずだ。年がら年中、できるだけ安く様々な食材を口にしたいという欲求も、人類がこれから自制すべき行過ぎた欲求だと思うのだが、賛同は得られないだろうか。

 

 

 
   

2005年3月1日
田嶋 要

 
 


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