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名古屋のこと

 

私が大学に入るまで過ごした名古屋が、最近は話題に事欠かない。昔から「演歌には決して登場しない町」とか言われて、ファッションから食文化からあらゆることで馬鹿にされることの多かった町ではあるが、最近は経済の好調さに支えられて俄然注目の的である。

そんな元気のいい名古屋を象徴するかのように、セントレア国際空港が開港した。高額な着陸料で悪名高い日本の飛行場にあって、トヨタの経営手法を生かした事業運営には今後も大いに期待を寄せたい。空港に銭湯を設け、そのお陰もあってか飛行機に乗らない大勢の観光客が空港見物に押し寄せているという。まさに官の世界からはまず出てこない柔軟な発想である。このセントレア空港の行く末は、日本の官依存体質を民主導に切り替えていくための試金石の役割を果たすと思う。社会保険庁だのハローワークだの、多くの官の世界にいわゆる市場化テストを導入しようとして、官の猛反対に遭っている。同じ人間が取り組んでも、官ではなく民の仕組みで行うとコスト、発想、サービスの質、遊びココロ、などなど様々な点で優れた経営ができるということを、ぜひこの空港に証明してもらいたいものである。

そして来月からはいよいよ名古屋郊外での愛知万博が始まる。環境をテーマにしたこの万博がどのくらい受け入れられるか、見ものである。大阪万博は私が小学生の時であったが、あの頃の高度経済成長のときならまだしも、いまどき万博という発想じたいが古いという批判も多い。ただ、今日の北京などが大阪と同様に万博を契機に経済発展に弾みをつけたいと考える一方で、愛知万博によって日本が経済発展とは違う人類の新しい試練、環境問題への取り組みに弾みをつけることも可能である。空港ともども、「祭り終わって残るは巨額の借金のみ」ということにならぬよう、成功を祈りたい。

 
   

2005年3月4日
田嶋 要

 
 


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