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米国の上院議員らが、日本が米国産牛肉の早期輸入再開に応じなければ、米政府にただちに対日経済制裁の発動を求めるという決議案を上院に提出したようだ。米国産牛肉問題もいよいよテンションがあがってきた。
この問題、日米間でも輸入再開のための条件交渉が進んでおり、ニュースでも生後何ヶ月までの牛まで検査対象とするかという議論が白熱しているとある。しかし、実はこれはとても表層的な議論なのだ。日本のようにコストをかけて(年間約300億円)全頭検査をすることがいいのか、欧州並みに月齢24ヶ月あるいは30ヶ月以上を対象とするのか(ちなみにEU諸国の場合は、このBSE問題とは別に米国産牛肉のホルモン剤利用実態を懸念し、米国産牛肉の輸入額は極めて少ない)、はたまた10ヶ月でどうか。日本のように全頭検査をしても、必ずしも100%安全とは言い切れない(検査感度や流通上の問題、そして平均潜伏期間が4年から6年といわれ感染初期の検出が難しいBSEの特性による)。
この問題で本当に重要なことは科学的により明確にわかっている部分にある。ひとつは、BSEの原因とされる異常プリオンタンパクは特定部位と呼ばれる脳や脊髄に集中しており、この部分を食用である筋肉部分を汚染することなく確実に除去することが必要だということ。そして2つめは、特定部位を含む含まないに関わらず、肉骨粉を牛だけでなく鳥や豚の飼料にも使用しないということだ。米国産の牛肉を輸入再開するかどうかの判断は検査対象月齢ではなく、米国の畜産事業者がこれら二つのことを本当に担保できているかという点にある。実際はどうか?
米政府が昨年7月にBSE(牛海綿状脳症)の追加対策を発表した。これによると特定危険部位を動物の飼料や人間の食品、化粧品に使用することは禁止しているが、処理方法については明確な手順を定めていない。そして特定危険部位を含まない肉骨粉については豚や鳥の飼料に使うことは認めている。つまり特定部位が食用肉部分を確実に汚染しないという担保はまだなく、それによってもし他の部分に汚染があった場合、特定部位が含まれていないからという理由で認められた肉骨粉の危険性が否定できないのだ。悲観的な立場をあえてとれば、事は牛肉だけではないのか?という疑問さえ沸いてくる。
この輸入再開問題がどのようになろうとも、要は「賢い消費者」であり続けなければいけないということだ。食の安全は最終的には自分で守らなくてはならないのだから。そして政治家としてはできうる限り国が食の安全を保証できるようチェックと監視を続けていきたい。血液製剤によるエイズ感染のような悲劇は二度と起こしてはならない。あとから「やっぱり危険でした」では済まされない。これは日々の食に関することだけに、「今そこにある危機」なのだ。
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