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読者の皆さんにもご経験がないだろうか。引っ越しして暫くすると、やけにタイミング良く、引越し後に必要になりそうな情報を満載したダイレクトメールが来る。子供が生まれると、ベビー用品のダイレクトメール。女の子ならお雛様。等々。まあ、個人の情報は(本来そうあってはいけないのだが)今の世の中たぶん筒抜けなのだろうな、と私も半ば諦め気分であったが、どうやらその元凶の一つが、他でもないお役所にある住民基本台帳らしいのである。つまり、お役所に真面目に色々な届出をすればするほど、あなたの個人情報が漏れていくのである。
最近、名古屋市で、その閲覧情報を使っての母子家庭を狙った犯罪が起き、にわかに注目され始めているが、実はもう10年も前からこれは問題視されていた。明後日から個人情報保護法が全面施行されるのがウソのような、個人情報垂れ流しがわが国では「国策」として行われているのだ。この問題を早くから取り上げているNPOが交流している先進他国のNPOも、住基ネットなどの問題点を議論する前に、日本のこの大量閲覧の現状に腰を抜かすのだそうだ。禁治産者や未成年者の関連で、もともとの立法目的にはそれなりに合理性もあったのであろう。しかし、時代が猛スピードで変化し、国民の意識も大きく変わる中で、制度だけが取り残されている現状は放置できない。先日薬害エイズの問題で行政の不作為の罪を書いたが(http://www.k-tajima.net/diary/050325.html)、この住民基本台帳の大量閲覧の問題も、同罪と言っても過言ではない。
一番苦労しているのは、行政の現場である。住民からの苦情も増えている。問題を重視して国に先んじて手を打つ自治体も出てきている。私の地元の千葉市も、実は先だっての市議会で新条例が通過し、従来一つの町内会の全ての住民(数百から数千世帯)の情報閲覧をしてわずか300円だったものが、明後日4月1日から、一世帯ごとに300円という、ものすごい「値上げ」をして、閲覧する業者が「音を上げて」いるそうだ。だが、驚くことにこの自治体の努力を国は「違法」と判断してきたらしい。なぜ、こんな制度をやめないのか?国は「知る権利」を守る、の一点張りだという。つまり「知られない権利」というのは、市民権を得ていないのだ。そして、その結果、国はお雛様から老人ホームまで様々なビジネスの営業活動を大いに手助けするという、本来の立法目的とは関係のない「役割」を果たすに至っているのだ。営業活動に手を貸すだけではない。不作為のせいで、名簿売買という新ビジネスまで誕生させてしまったのだ。
そんな中、今日、みずほ銀行から27万件もの個人預金等の情報が流出していることが発覚した。外部への流出の可能性はほとんどない、などと言っているが、そんなことアテになるはずがない。個人情報保護法の施行日二日前にこれが発覚するというのも単なる偶然なのだろうかと思ってしまうが、いずれにせよ、BSEではないが、個人情報に関しても我が身、我が家族は自分で守る、ということを肝に銘じなければならないお寒い状況である。そして、自助努力ではなんともならない役所の不作為は、一日も早くストップさせねばならない。
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