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お金の流れを官から民へ

 

 分かったような分からないようなスローガンである。ところが、これも最近の調査結果によれば、郵政民営化に賛成する人々の主たる理由の一つに上がっている。そうすることがきっと正しい方向だろう、という何となくの直感に基づくものであろう。では、郵政公社を民営化すると、どうお金の流れが変わるのか。

 正確に理解するには、財政投融資というのを知らねばならない。また財務省理財局というのも知らねばならない。昔は国民が預ける郵貯のお金などは全額がこの理財局に「預託」が義務であった(当時はこれを資金運用部資金と呼んでいた)。それが、2001年からは義務で無くなった。いわゆる財投改革といわれるやつである。で、どうなったか?義務としての全額預託は無くなったが、郵貯や簡保のお金は相変わらず官に流れているのだ。理財局が財投債を発行し、それをマーケットで郵政公社が買う、という仕組みで。多少はその額が少なくなったが、やっていることは同じである。郵政公社の資金の国債(財投債)での運用は全体の80%である。また、国の国債発行残高に占める公社のシェアは25%である。

 さて、では郵政公社を民営化すると、このお金の流れはどうなるのであろうか。ほぼ間違いなく、何も変わらないのである。民営化された新会社が、国債を買い続けるのだ。なぜかといえば、それ以外はできないからだ。国債の買い手がなくなるということは、国の立場からすれば起こってはならない事態なのである。また、新会社の立場からしても、国債以外にその巨額資金を扱う運用先が無いのである。そして、国債に流れた郵貯・簡保のお金は、相変わらず特殊法人などに流れていくわけだ。

 要は(ようは、カナメは)、何が言いたいか。郵政公社を民営化しても、国民が期待する「お金の流れを官から民へ」は恐らく起こらないということだ。そして、それが起きるようにするには、財務省の理財局による財政投融資、そして融資先の特殊法人などの改革を推し進めるほかないのである。官の資金需要が強いかぎり、官にお金が流れてしまう。流れを作るのは、需要の強弱である。そして、郵政公社について言えば、預金限度額を思い切って引き下げると言った郵政改革こそが、必要なのである。

 余談であるが、今日行われるハズであった総務委員会は無くなってしまった。郵政民営化の責任担当大臣は竹中さんということなのだが、今日は総務委員会に出席できないかららしい。肝心の責任者が出席できないようでは、委員会を開く意味が無い、ということだ。総務大臣は麻生さんなのに、何となく不思議な話である。


 
   

2005年4月5日
田嶋 要

 
 


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