|
地元でもすこぶる評判の悪い審議拒否を、民主党は続けています。特に普段大変熱心に民主党を応援して頂いている方々に限って、「残念だ、落胆した、おかしい」とご批判をされるので、私も辛い思いです。こういう戦術に出ることが決まる前に、国会で一年生議員が集められ国対(要は国会戦術を決める党内の場)から意見を求められました。予想通り、審議拒否に否定的な若手議員が大半を占めました。どこでも地元での批判が強いというのです。にもかかわらず、今回も審議拒否を実行してしまいました。党幹部は理由を明確にはしています(下の川端幹事長の記者会見をご参照ください)。それは私も理解はしているのですが、「だから、審議拒否をするのだ」とは必ずしも唯一の選択肢として論理的に直接はつながっていかないのです。「欠陥法案」であることはそうですが、それでも国民の目からすると、国会でそれを明らかにしていく方がよほど分かりやすく、民主党にとってもプラスに働くのではないかと、私は今でも感じています。民主主義の多数決の論理の中で、また昨年の年金国会のように与党が強行採決を行うのであれば、それこそ民主党にとっては政権交代の必要性の最高のPRになるはずだと思うのです。残念ながら、会社と同じで大きな党の戦略は幹部が全てを決めます。決定されてしまった以上は私もそれに従いますが、この方針がまた中途半端に変更されて、ぶざまな姿をさらけ出さないように祈るのみであります。
ただ、民主党の審議拒否は不評であっても、郵政民営化そのものに関してはこれが様々に問題があるということだけは改めてご認識いただきたいのです。ある同僚議員が、分かりやすいたとえ話をしていました。小泉治療院で診療を待っている患者たちを想像してください。一番目の番号札の方は、9時からの診療にもかかわらず早く診てもらいたいので朝7時から待っています。二番目の札の方は、9時少し前に来たのですが、痛みに喘ぎながら待っています。そして合計10人の患者が診療開始時点で、待合室にはいます。時間になりました。看護婦さんの声がします。「10番の方、おはいりくださーい!」この患者の名前は、郵政公社といいます。
幹事長記者会見要旨
■特別委員会設置の強行:与党に強く抗議する
【幹事長】ご苦労様です。
本日の午後、与党は郵政民営化関連法案について、本会議で特別委員会を強行で設置
をいたしました。
再三にわたって、私たちはこういう処理をする前に、「欠陥法案であるからきちっと
整備しろ」と粘り強く主張してきました。
政府は、説明責任をまったく果たさず、逆に官邸主導という極めて異例なかたちで、
国会運営に介入をし、強行させたことは極めて遺憾であると思います。
小泉政権ができて4年あまり経ちましたけれども、「自民党をぶっつぶす」と言った
小泉政権の4年間で、国民生活は危機に瀕して、ぶっつぶれかけており、加えて、こ
の郵政民営化の名の下に、さらに官が巨大化・肥大化する郵政民営化と称する、国民
生活を本当にぶっつぶす法案を出し、今日の時点では、まさに国会をぶっつぶすとい
う行動に出ることは、許しがたいことだと思っています。
強行された直後に、私の名前で「郵政民営化特別委員会設置の強行に抗議する」とい
う談話を出させていただきましたが、皆さまにもお配りをさせていただきました。
基本的にこの郵政民営化法案の中身自体は、民営化と称する巨大なコングロマリット
化した国有郵政会社をつくり、民業を破綻させるものです。
民で集まったお金が活かされたかたちで使われるように、官で吸い取られることがな
くすように、という意味で、借金漬けになった国の財政再建が最優先されるべきであ
り、特別会計・特殊法人に不透明で無駄に流される仕組み、それにむらがる天下りを
中心とする、政治家を中心とする蜜を吸う人たち、この構造をつぶすことこそが、本
当に求められている国の改革であります。
このことを一切放置したまま、さらに官を巨大化する民営化と称する中身は、反対で
ある、成立させるべきでない、と主張して行動してまいりました。
その議論は堂々と国会でやりたい、と思ってやってまいりました。しかし、その議論
の前に、省庁再編基本法33条に明記してあるとおり、橋本行革の際に成立した法律
で、公社化をするという法律をつくり、その中で「民営化等の見直しを行わない」と
法律で明記された中で、こういう民営化法案を出すことは、明確な法違反であると指
摘をしてまいりました。
郵政民営化法案の中身の前に、国がつくった法律、そしてその当時の関係大臣の答弁
で、「これは公社化後、民営化は一切の見直しの議論は行わないことです」という答
弁をしておきながら、法律で制定したことを、総理が勝手に解釈を変更して、「まっ
たく問題ない」という姿勢は、法治国家として、立法府として看過できない問題であ
ると認識しております。
同時に、政府・与党合意で、法案が提出に至ったと報じられておりますが、与党にお
いては修正を約束しているがごとき言動がみられる。しかも、その与党合意と法案を
精査してみますと、たとえば、1兆円の基金を2兆円に、と合意したと言われています
が、法律のどこを読んでも1兆円としか書かれていない。
そして、多くの政省令に委ねる234箇所、国会の審議に付さない条項として書かれて
いる中に、与党合意にもあります郵便局の設置基準は一切法律に書かれていない。そ
して、貯金と保険の預け入れ限度額も、政令事項となっており、要するに、国民の目
から見れば、ポストの数がいくつになるのか、今、1千万円の限度額が、1千5百万円
になるのか、5百万円になるのか、国会ではなくて役所の裁量で決められる。そし
て、その一部は政府・与党の合意では決められている、というような極めて不自然な
欠陥のある法律が出てきている。
さらに、条文ミスもすでに見つかっている。明確な条文ミスであるにもかかわらず、
しかも、提出したばかりで審議もしていないにもかかわらず、成立後、しかるべき時
期までに修正すればいい、というような極めて無責任な対応をしている、ということ
も含めまして、この欠陥法案は諸点を整備した中で、出し直すべきだと主張しており
ます。
そういう論点も含めて、本来、法案の中身に反対であり、特別委員会を設置するまで
もなく、郵政公社の問題、民営化の問題も含めて、熱心に議論してきた総務委員会で
議論すべきである、と主張をしてきました。
最終的には、今日、議題にするということなので、本会議で討論を求めましたが、国
会の場で討論も認めないというような状況であります。私たちは、しっかりと国会で
議論をして、国民の前に明らかにしていく責任を負っている中で、このように議会制
度の根幹に関わる問題を、蔑ろにするような国会運営に、私たちが加担をする立場を
取るわけにはいかない、ということで本日、本会議を欠席した次第であります。
これからも、国民のために、国会が正常に運営されるように、最大の努力を行ってま
いりたいと思っております。
加えまして、一言、付言をいたしますと、内定というかたちで、設置もされていない
特別委員会の委員長・筆頭理事等の人事が発表されました。
内定ですから、そのことをとやかく言うつもりはございませんが、官邸に委員長予定
候補者を呼びつけて内示を出す、ということは、閣僚の人事のやり方を行っている。
三権分立の独立性ということで、自由民主党総裁である総理といえども、こういう行
為は自民党本部でやられるべきであり、官邸機能を使うということは、議会の独立を
著しくゆがめる許しがたい行為であるという思いを持っております。
本日、午後、総理補佐官は辞任されたようでございますが、内閣の一員が議会運営の
要に立つ、ということは憲法上許されていないと私は認識をしております。
こういうことも含めて、まるで官邸の付属物として国会が運営される事態が散見され
ることも、厳しく指摘をしておきたいと思います。
■道路会社の人事:本質的な改革に手を触れない小泉改革の象徴
【幹事長】あえて申し上げますと、もう一点だけ、本日、北側国土交通大臣が道路会
社の5社の人事を発表されました。
この人事を見ましても、いわゆる道路公団民営化という小泉民営化がいかに見せかけ
のものか、ということが明らかであると私たちは思っております。
表看板の会長人事は、いわゆる民間人を登用されました。しかし、実質上の経営の
トップリーダーである社長5人を見ますと、それぞれすべて元官僚か、道路公団関係
者であります。
表看板の会長を民間人登用で、「民間の活力を、民でできることは民で」と言いなが
ら、実情は実権を握るのは、中央省庁そしてそれにつながった道路公団という、かね
てからの公の機関の経験者が、すべて社長を握るということで、中身的にはすでに言
われているように、何か民営化によって変わったのか。道路は相変わらず作り続け、
料金は取り続けている、本質的な改革には一切手を触れない、象徴的な事柄が今日の
社長人事でみられる、と思っております。
今、郵政民営化が議論の俎上に上がっておりますが、本質的に同じ事をおやりになろ
うとしていることは看過できない、許されないと思っているところでございます。
私からは以上です。
<質疑応答>
■山崎補佐官の辞任:本来、内定の時点で辞めるべき
【記者】先ほど、幹事長が指摘されましたけれども、山崎筆頭理事が補佐官を辞任さ
れる、と。指摘されて辞任されるのはいかがか、ということですが、そこをもう少し
お話をいただけないか、ということと、兼務の問題について、これも併せて教えてい
ただけないでしょうか。
【幹事長】正式にはまだ就任されていませんから、法的にどうこうという問題ではな
い、ということだと思いますが、本来、総理補佐官として総理を支える重要な役職を
内閣の一員として担って仕事をしておられる人を、国会運営の役職に付けるというの
は、立場で言えば、総理や大臣が委員会の理事や委員長をするということでありまし
て、誰が考えても内閣の職責と国会の職責は、独立しているというものを踏みにじっ
ている、と。
このことは、本来、身体は一つでありますから、どちらをおやりになられるかは、も
ちろんご自由であり、手続き上はお辞めになりましたけれども、これは内定される時
点で、その手続きを取られるべきであったと、私たちは思っております。
■今後の国会対応:民主党の主張を貫いていく
【記者】今後の国会対応をお伺いしたいんですが、来週から、衆参、どのような対応
をされるおつもりでしょうか。
【幹事長】申し上げましように、私たちは郵政民営化関連法案も含めた、このインチ
キ郵政改革には反対である、と。それは、徹底した議論を行いたい、国会の責めとし
て。
しかし、申し上げましたように、法律として欠陥があることと同時に、そういうもの
を、無理やり、説明もきっちりしないでやる政府および与党のやり方は、国会を冒涜
するものである、ということで、国会に出たいけれども出るわけにはいかない、とい
うことを主張しているわけですから、この主張を貫いていきたいと思います。
【記者】与党側が、民主党の主張に対して応じることは難しいと思いますが、その場
合、審議拒否というかたちが長期化することもやむを得ない、ということでしょう
か。
【幹事長】与党・政府側に応じていただきたい、と主張し続けてまいりたいと思って
います。
【記者】社会保障・年金の方が、プライオリティとして高いと幹事長は発言されてい
ますが、今回の特別委員会の採決をきっかけに欠席することで、そういう問題、合同
会議も止まると思うんですが、こういう審議が進まないという状況にすることは、幹
事長、どうお考えですか。
【幹事長】もちろん、それぞれの政策課題は国民生活に直結する課題でありまして、
大本で言えば、今、国会で最優先で総力を挙げなければいけないのは、郵政ではない
と認識しております。
そのすべてに最優先して、この法案を出してきて、しかも、乱暴・強引な国会運営と
まったく説明を放棄した内閣の介入という事態は、議会制度の根幹に関わる問題であ
るという認識で、こういう行動をとっております。
それでは、会見を終わります。
以 上
|