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違法と適法

 

 私も後ろで傍聴していたが、先週開かれた国土交通委員会ほど、参考人の答弁にドキドキするものはなかった。「とても国会で答弁できるような状態にない」というわがままな理由で参考人出席をドタキャンしたアネハは論外として、出席をしたイーホームズもヒューざーも、シノケンも木村建設も、これまでにも色々なアブナイ橋を渡って来た人物が揃っているのか、この期に及んで、慣れない国会と言う場で、あの腹の据わりようは見上げたものである。むろん、今回の出席は「参考人出席」であって、我々が橋本元総理に求めているようないわゆる「証人喚問」ではないので、「偽証」(国会で嘘をつくこと)が罪には問われない。そのことから来る、“余裕”なのであろうか。

 中でも、イーホームズの藤田社長が、隣に座っているヒューザーの小嶋社長を名指しして、「(違法設計のことを口外するなという)圧力があった」等と答弁したときには、衆目が小嶋社長の顔に集まったが、顔色一つ変えず、平然としていた。「うちの会社はxx億の利益がある。それをすべて使ってでも徹底的に(イーホームズを)叩く」というような具体的な藤田社長の答弁が、まったく根も葉もない丁稚上げとは考えにくい。また、アネハの違法設計を知らせる情報が一年も前に別の日本ERI社から伝えられていたという藤田氏の答弁も、驚愕の事実である。それぞれ関係者の答弁は食い違いを見せているので、真相究明にはしばらく時間がかかろうが、住民の安心のために一日も早く解決をしなければならない。

 おそらくはアネハは「氷山の一角」なのであろう、と多くの国民が見抜いていることであろう。役人天下りが多くを占める民間の審査機関のマインドは、どこも似たり寄ったりと考えるのが自然だ。しかし、ふと思うことは、違法かどうかという点よりもより切実な問題があるのではないか、ということだ。実際の耐震性の問題だ。違法設計により耐震性に問題があるのが、今回の事件だが、法律の規制が今よりずっと緩やかだった時代に建設された多くの建物は、実はアネハ以上に危ないということはないのだろうか。むろん、適法か違法かというのは大きな違いではあるが、適法であっても震度5程度で崩れる建築物は、違法で崩れる建築物と同様に住んでいる人には恐ろしい。

 私の選挙区には、千葉市美浜区という全国でも唯一100%埋め立ての区がある。そこでは神戸の震災のときに起きた液状化現象が懸念されている。首都圏をいつかは襲うと言われる大震災。既にカウントダウンが始まったと腹を括り、「そのとき」に備えて様々な対策を施しておきたい。小学校校舎の耐震補強工事も行われているが、いざと言うときに避難をすることになる体育館が後回しになっているなど、実態はまだまだ心もとない状況らしいのだ。


 
   
2005年12月4日
田嶋 要
 
 


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