|
今皆さんの中にこの三つの違いを正確に説明できる方はいらっしゃるだろうか?いても
いなくても、これらは私達の生活に密接に関係している。というのも、駐車違反に関
する話だからだ。
実は今、日本にある31の特別会計の徹底見直しをやっていて、私もそのプロジェク
トの一端を担っている。担当は総務省管轄の特別会計。その一勘定が交通安全対策交
付金。駐車違反で払う「反則金」というやつが財源になり、それが今約800億円、
全国の地方自治体に交付(信号機設置などに使われる)されているのだ。これは罰金
ではなくて、全国に「一億総前科者」を生まない工夫として、反則金を払えば公訴手
続きに入らないという理屈になっている。逆に、払わなければ裁判所のお世話にな
り、その判決を受けて支払うことになるのが「罰金」である。こっちの方は、今国の
一般会計に入るというから分かりにくい。
そして「違反金」。来年6月から、運転者ではなく、車の所有者(法律では「使用
者」という)も責任を追求されることになった。なんでこういうのが始まったかと言
うと、今までは“逃げ得”になっていたから、という理由だ。既存の反則金も罰金
も、誰が駐車違反をしたかを特定できない(警察官が「現認」できない)と、先に進
めないからだ。要するに、今の制度では“正直者は馬鹿を見ている”のである。で、
それを是正する新制度の特徴は:
・誰が駐車違反をしたか分からない時、使用者がこの違反金を支払うことになるが、
後で運転者が出頭してきたら、その運転者が反則金を払うので、使用者の払った違反
金が返金される。
・この違反金制度の実務は、それぞれの都道府県の県警の判断で民間委託業者が行う
ことができる。ただし、民間業者との委託契約は、取り締まり一件いくら、という歩
合制にはならない。
・今までの、タイヤのところにチョークで線を付ける、という風景は見られなくなっ
ていく。つまり“サドンデス”。ただし、これは法律とは関係なく、運用の話。
・この違反金の“アガリ”(収入)は、直接、都道府県の収入になる。
まあ、私としては、このような駐車違反取締り強化による財源獲得の方が、増税や借
金増やすことよりは、よほど国民からも受け入れられやすいと思っているので、この
新しい施策には賛成である。なんでも、東京での駐車違反の取締り件数は、ニュー
ヨークやパリの10分の1という話なのである。駐車違反は、事故や犯罪の増加にも
関係があるとされるし、また消防車などが現場に行けない原因をも作っているとされ
る。
なお、今ある反則金の方であるが、今回の特別会計見直しの中での、我々の提言は、
この反則金に関しては今の罰金に合わせて国の一般会計に入れ、今の反則金に基づく
交付金制度は無くしていく、というものである。そうすると約800億円の地方に交
付されていたお金が無くなってしますわけだが、その分は偏在性の比較的小さい消費
税の国と地方の比率(現在4対1)を変えることで対処する。特別会計制度を極力小
さくし、かつ分権の流れを止めない、というのが基本的な方向性である。
|