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退場あるのみ

 

 やはり、歴史は繰り返す、ということであろうか。ITバブル崩壊であれほどの痛手を受け、そしてそこから息を吹き返したIT業界は、さぞオールドエコノミーの良い面も吸収して、今度こそは本物の経済の牽引力となってくれるかもしれない、と多くの人は信じていただろう。最近の堅調な、というかそれ以上の株価の値上がりも、その安心感に裏打ちされたものとも言える。

 華々しい買収話でマスコミの注目を浴び、社長が刺客として衆議院選挙に立候補し、宇宙ロケット事業参入をぶち上げ、そして経団連にも加盟した矢先に、何たる失望感であろうか。昔、おなじ業界の某会社も同じような期待を一気に裏切る結果となったが、ライブドアも結局はそういうことなのか。一見怪しそうな会社が、やはり怪しかったことほど、しらける顛末は無い。いざなぎ景気を超えたと言われる今の好景気がこれで変調を来たすとは思わないが、悪事に手を染める上場企業の経営陣が後を絶たないことは、本当に情けなく思う。

 時同じくして、ヒューザー社の小嶋社長が国会に証人喚問された。そのもう一つの「爆弾」の政権への衝撃を緩和するために、権力与党によってライブドアのニュースのタイミングが計られたという噂もある。そんな小細工をしようがしまいが、社会的責任を果たさない企業も、そしてその経営者も、退場あるのみである。あの伝統あるカネボウも西武鉄道も、既に「過去の人」である。

 ところで、外部監査をする監査法人というのは、一体全体まともな仕事をしているのだろうか、とふと思う。むろん、どんな専門家でも見抜けない悪質な犯罪もあるのかもしれないが、粉飾決算のような基本的な問題点を見逃していては、制度が全く機能していないのではないか。これも、建築確認の団体が違法な耐震偽装設計を見抜けないのと似たような話だ。方や住人の生命に関わる話、方や投資家の財産に関わる話。外部監査は生命には関係ないから、という理屈は通らない。

 
   
2006年1月18日
田嶋 要
 
 


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