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政党の経営

 

 今回のメール問題を機に、「政党の経営」ということを考えている。それで思い出すのは、医療制度の改革の中で時に指摘される病院の経営に関してだ。よく、医者が病院経営をしているからおかしなことになる、という指摘がある。医者は医学を学んできたプロであり、患者の治療に全力を注ぐべきである。経営の仕事はそれとは全く異なり、経営のプロに任せるべきである、と。全く同じことは、学校にも言える。学校の先生は教えるのが仕事であって、学校の経営には向かない場合が多いのである。特にコスト意識や営業センスの問われる経営は。

  こう考えていると、実は政党もまったく同じ問題に直面していることに気がつく。なぜ、今回のようなお粗末なガバナンスしか存在しないのか。ガバナンスの一部である危機管理(私はそう捉えている)はなぜダメなのか。その大きな一つの理由は、政党が議員らによって自ら運営されているからではなかろうか。まあ、議員が少しは運営に参加するのはいいとしても、全てを議員に頼っているのが問題ではなかろうか。議員は地元活動と国会活動で分刻みの職業である。そして、その中で時間を作って、党務にも励んでいる。しかし、私の限られた経験から思うに、そのアプローチによる政党の経営は、実に危うい。経営は、落とし穴が多い。経営は、それだけに集中しても難しい仕事なのである。それが、超多忙な人々の間では、合議による重要事項の意思決定もままならない。一つの事案を処理するにも、関係議員を一堂に集めることが一番困難なことなのである。今回の永田氏の拙速に関しても、まさにその合議による意思決定という点が欠落していた。

 政党には専門のスタッフがいるではないか、という指摘もあろう。確かにいるにはいる。しかし、極めて不十分だ。どうしても、立場上、議員への遠慮もある。しかし、多くの議員よりベテランである。とにかく関係が微妙なのである。実は、経営というのは、民間企業にとっても、特別なスキルを要する専門職だという考え方が主流になってきている。だからこそ、マネジメントスキルを身につけMBAなどを持った経営者が、業種を超えて会社のCEOとなるわけだ。マッキンゼーやIBMの出身経営者は、様々な業種にいる。優れた経営者は、その事業分野を問わないのだ。

 民主党に今必要なのは、カルロスゴーンなのかもしれない。つまり、議員からある程度独立して相当程度の自由度と権限を与えられている、トップ経営者である。もちろん、リーダーシップに加えて、マーケティングやファイナンス、それにこれからの時代はITのセンスも備えていることが望ましい。民間で優れた経営手腕を発揮した方々の中には、民主党の経営に興味を持たれる方は少なからずいるはずだ。ちょうどリクルートの社員が杉並の公立学校の校長先生になったように、そういう流れは既にあるのだから。そして、そのトップ経営者のまわりに、アドバイザリーボードを作ってはどうか。外部の様々な分野で活躍された人。そして、元国会議員がいてもいい。

 一年も前に一度考えていたことだが、最近また急にその必要性を実感している。



 

 
   
2006年3月6日
田嶋 要
 
 


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