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鳥インフルエンザのこと

 

 BSE問題に取り組む中で、来年あたり日本でもこれが深刻な問題になるかもしれないと私が懸念しているのが、鳥インフルエンザである。WHOの報告では、2003年に最初の死者が出てから、これまでの4年間で103名の犠牲者が出ている。しかもことし2006年に入ってからは、わずか3ヶ月足らずで27人が死亡。ペースが加速してきているのだ。感染した場合の人の致死率は60%にも達している。人から人への感染力は弱いとも言われているが、未知の部分も多く、脅威であることは確かだ。今のところこのいわゆる強毒性と言われるH5N1は東南アジアや欧州では出ているが、日本では一例も無く、日本の茨城県で出たのは弱毒性H5N2、つまり鳥から人への感染の無いタイプである。ただし、この両者には関係があると言われていて、弱毒性のウィルスが半年で強毒性に変異した例もあり、油断できない。さらに、強毒性のものが海外から入ってこないとも限らない。フランスの鶏肉などが輸入禁止になったのは最近のことだ。渡り鳥説も言われるが、いずれにせよ空気感染なわけで、その点BSEよりもさらに見えない敵なのである。

 今日、茨城県常総市の天王原養鶏場というところに視察に行った。この養鶏場では昨年8月に飼っている全ての鶏、3万5千羽を殺処分にした。そして、このような養鶏場が茨城県内に40箇所、合計326万羽が殺処分された。これにウィルスは確認されずとも抗体陽性である農場も含め、合計570万羽が鳥インフルエンザ(弱毒性)の影響を受けている。実に県内の総数の5割以上である。茨城県は全国第一位の養鶏の盛んな県で、同じようなことは他県でも容易に起こりうる。全国で1億5千羽のかなりを殺処分せざるをえない状況も容易に想像できるのだ。弱毒性でこれだけ大変な事態になったのだから、もし仮に強毒性が見つかった場合にはパニックにもなろう。風評被害も心配される。今後の政府の予防対策をしっかりチェックしていかねばならないのであるが、今日、この視察で現場でご苦労されている方々の話を伺う限りでは、弱毒性で手一杯、とても強毒性の方までお役所の頭が回っていない様子なのである。

 
   
2006年3月22日
田嶋 要
 
 


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