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週間雑感

 

□ 建築基準法等の改正の審議が始まった。また、折りしもあのライブドア社の上場廃止が行われたその日に、証券取引法の改正の審議も始まった。昨年末、そして今年初めに立て続けに起きた、衝撃的な「事件」からかなりの時間を経て、ようやく立法による措置が取られようとしてる。片や暮らしの安心と安全のために、片や公正な市場の確立のために、しっかりと国のチェック体制を機能させてゆきたい。前者に関しては今週、国土交通省から改正の概要の説明を受けたが、要は今の建築確認を構造設計に関しては一重ではなく二重に行なおうとするものだ。実に分かりやすいといえばそうだが、問題の根本的な解決にはなりそうもない。

また、建築士免許の更新制については、まだ引き続き検討中だそうだ。他の「士」業界にも影響があるから慎重に協議しているらしい。免許の更新制によって資格を喪失してしまうケースの多発が社会的に厳しすぎるというのであれば、何十時間とかの追加講習を義務付ける、再試験をする、などのハードルを高くする制度を導入し、今の「一度試験に受かれば生涯資格が生きている」という、「士」業の負っている社会的使命と釣り合いの取れない、たゆまぬ研鑽を促さない今の制度を、ぜひ改める必要があると考えている。世界一優秀だと言われる英国のタクシードライバーと、最近では国会図書館の場所も知らない運転手もいる東京のタクシー運転手を比べれば、やはり制度の差が仕事の質の差を生むことは否定できない事実であろう。

□ BSEの関係で、鮫島前衆議院議員にお目にかかり、香港出張前に有意義な意見交換をさせていただいた。牛肉処理方法のことであるが、日本では未だに、世界で禁止されている牛の処理方法が行われている。「ピッシング」というやつだ。今この狭い国土に161箇所の牛肉処理施設があるのだが、そのうち7割の施設で今なお行われている。簡単に言えば、スタンガンで気絶させた牛の頭から、長いワイヤーを突き刺し、脳神経を破壊することで、後ろ足の動きを麻痺させるものらしい。なんでも、処理施設の面積が限られている日本独自の処理プロセスなのだという。これがBSEの観点からは極めて危険な行為で、日本政府も今後3年間で全ての施設でのピッシングを停止する計画である。一方、今日本では政府が100%の補助金を付けて、事実上の食肉牛の全頭検査を実施している。こちらもあと3年で補助金がストップになる。

つまり、鮫島氏のお話では、日本の牛の全頭検査というのは、どうもこのピッシングによるBSEリスクのためにやらざるを得ないというのが実情のようなのだ。そして、ピッシングの採用されていない国における全頭検査は必要がないのでは、というものだ。むしろ彼が必要性を主張するのは、肉質ではなく、生誕月齢による管理である。そしてこれに関しては、先進国中アメリカだけが実現していない。一頭あたり600円というコストがネックなのだという。食の安全には替えられないコストだと主張してゆきたい。

□ いちばん最近では、マンションから子供が投げ落とされるという、まさにこれも信じられない悲しい事件が起きたわけだが、その前は奈良だったか栃木だったか滋賀だったか、もはや記憶しきれないくらい子供を狙った犯罪が多発してる。まさに政治家として危機感を抱くのは、こういった事件というのは、起きた直後にはマスコミが大々的に取り上げるが、一つ更に新しい事件などが起きると、早々と忘却のかなたの感がある、ということだ。しかし、被害に遭われた方、あるいはそのご遺族の苦しみは、世間の関心の強弱に関わらず、生涯続く苦しみである。犯罪の被害者よりも加害者にあたたかいと揶揄される日本の制度のあり方を何としても公正な制度に正してゆきたい。

昨年から施行された犯罪被害者等基本法にもとづき、被害者・ご遺族らの生の声を反映した基本計画が内閣府を中心に策定され、状況は少しずつではあるが前進をみている。しかし、私が今一番心配をしていることは、国による経済的な支援が、制度的に遡及するかということだ。内閣府の役人は、「その点も含めて現在検討中」と私に説明した。ぜひ、これからの被害者・ご遺族だけではなく、これまでの冷たい制度に見放され、苦しみ続けた方々に少しでも救いの手を差し伸べる、そうした血の通った制度を作り上げてゆきたい。

 
   
2006年4月15日
田嶋 要
 
 


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