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香港近況

 議員になって二度目の海外視察に出かけた。今回は香港。BSE関係の調査である。衆議院千葉七区の開票結果を待たずに(若干後ろ髪を引かれる思いで)日曜の深夜に香港に入り、火曜日帰国。ビジネスの世界にいた時に比べて、海外に出る機会がめっきりと減ってしまったが、こうして海外に出るたびにその新鮮さ、そして日本や世界のことを俯瞰的に考えるのに、時々日本を離れることの大切さを改めて感じる。

 久しぶりの香港は実に活況だった。一時は上海に経済の中心が移るなどと言われたが、どうも杞憂らしい。特に経済を支えている主役は、すでに大陸からの中国人。香港に観光に来ても一番お金を落としていくのが中国人。また中国人経営のベンチャーの株式公開、つまり国際社会での資金調達は香港が舞台となっている(ちなみに、香港の新規公開株式のマーケットは東京をすでに追い越した)。つまり、一昔前、西側先進国が中国へのエントリーポイントとして利用していた香港は、今や同時に中国資本の資本主義先進国市場へのエントリーポイントとしての役目も果たしているというわけだ。そのあおりを受けて不動産価格も賃貸価格も少し前の倍とかに跳ね上がったという。大使館の関係者の話では、彼らの仮住まいのマンション賃料も月100万円は軽く超えるというから、東京の麻布や表参道、六本木よりもはるかに上を行っている。ちなみに、香港では公務員は超エリートで、月給は100万円を軽く越すらしい。

 香港市民にとっては、未だに、というかいよいよ日本ブランドが憧れの的、ということにも新鮮な驚きだった。いろいろな業種がブランドに日本語名をつける事で高級感を出すことが多いのだという。家電や自動車は言うまでもなく日本ブランドが圧倒的な人気らしいが、最近は日本の野菜などの一次産品がすごいらしい。たとえば葱(ねぎ)ひと束(よく日本のスーパーで見かける三本セット)が700円くらいもして、それが飛ぶように売れるのだという。また飲み屋のワタミなどが進出していて、毎晩行例が出来るらしい。そんな中で、地元千葉市・千葉県でがんばっているHairDoというヘアサロンの香港店舗を訪ねた。地元で成功した会社が東京をすっ飛ばして香港で成功しているというのは、私も実にうれしいし誇らしく思う。HairDoは香港一等地に三店舗、カットは5000円から8000円というから、相当なものである(千葉より高い!)。

 日本の農産物が人気な背景の一つには、食の安全・安心に対する香港市民の意識が2003年のSARS以来大変高まっていることもあるらしい。今回はBSEの調査のために香港で行政、立法の責任者と会い、また骨片発見の現地視察もしたが、一般市民の関心はBSEというよりはむしろ中国産の野菜や魚、鳥インフルエンザなどに対する懸念である。役人の汚職があって農薬検査を免れた野菜が中国本土から輸出されているというのだ。食は香港にあり、というが、その香港の市民がそれほど心配しているのだから、日本も香港の情勢をしっかりワッチする必要がありそうだ。BSEでももちろん有意義な情報をたくさん収集できたが、まさにこれからの21世紀のわが国の食の安全・安心に関する日本の行政のあり方が岐路に立っている中で、大変価値のある視察になった。

 
   
2006年4月26日
田嶋 要
 
 


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