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社会保険庁問題の根っこ

 去年から今年にかけて、社会的信用を大きく失った組織を二つ挙げるとしたら、まち
がいなくNHKと社会保険庁でしょう。不祥事が起きるたびに経営刷新という掛け声が
響き、またすぐに改革の期待はまた裏切られ、そんなことの繰り返しでした。両者に
共通するのは、このどちらもが官であり、そして受信料あるいは保険料を受領すると
いう形で直接国民と繋がっているということです。不祥事が起きるたびにこれらの収
納率が低下を続けるという悪循環が起きています。

 興味深いことは、どちらの収納率も悪化しましたが、NHK受信料の収納率は国民年金
の収納率よりも確実に高いということです。なぜでしょうか。収納体制や支払う額の
違いという面もありましょうが、根本的には国民がそれらにどれくらいの価値を見出
しているか、ということではないでしょうか: 不祥事が続くことには腹が立つもの
の、NHK番組を観るという価値は確かに“いま”享受している。しかし、保険料を払
い続ければ本当にそれに見合った価値を“遠い将来”に受け取ることができるのか?

 社会保険庁の保険料不正免除事件は底なしの様相を呈し、混乱は当分収まりそうにあ
りません。いかなる理由であれ公務員が法律違反を組織的に行っていたことは言語道
断ではありますが、この問題の根っこには、一体いつまで今のような持続可能性のな
い制度を政府が温存するのか、ということがあるのです。国民が真に安心でき、支払
いに見合った価値を将来受け取ることができると信じられる制度を創れば、収納率は
上がるのです。そしてそのためには、一定の税金投入と、保険料徴収組織の国税庁と
の一本化が、最も近道だと思うのです。


 
   
2006年5月31日
田嶋 要
 
 


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