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学生時代の数学はほとんど役には立たないが、算数は結構役立つ。その中でも特に分数や率というのは、国会の定量的な議論の中でも不可欠なものだ。ただし、数字は時に人を錯覚に陥らせる。今年の通常国会を振り返ると、このことが痛感させられる。
通常国会早々、空き交番を大きく減らした話を小泉総理がした。誇らしげであった。で、どうやって減らしたか。普通だったら、空き交番に新たにお巡りさんを配置する。誰でもそういう政策をイメージする。だが、実際にはどうだったかと言うと、そういうケースもあるにはあるが、一方で、空き交番自体をいくつも閉鎖していたのだ。言ってみれば、分子(=お巡りさんのちゃんといる交番の数)を大きくする代わりに、分母(=交番の総数)を小さくすることで見かけ上は「空き交番を減らした」のだ。ただし、この事実には総理は一切触れない。キツネにつままれたような話である。
分子と分母の話はあの社会保険庁の事件で一躍有名になった。保険料の収納率を上げるには、普通は頑張って収納金額(=分子)を大きくする。しかし、もっと手っ取り早いのは、収納するべき総額自体(=分母)を小さくすることだ。この発想が高じて、申請してもいない人の保険料支払いを違法に免除し、収納率を見かけだけ上げていたのだ。言われて見れは、いかにもやりそうな手口ではあるが、昨年の騒動の時には誰もその可能性を指摘はしていなかった。
今日の本会議場で、また同じような話が出てきた。国民投票法案。国民が一票を投じて、憲法改正に賛成、反対とかを決めるやつだ。与党と民主党それぞれから法案が出されたが、白票の扱いが争点の一つだ。民主党案では白票は反対票とされ、与党は無効票と主張する。つまり与党案であれば、賛成が過半数以上かどうかを判断するときの分母(=有効投票総数)が、白票の分だけ、民主党案よりも小さくなるというわけだ。そうすることによって、憲法改正が行いやすいようになっていると考えられるのだ。
ことほど作用に、「率」というのは注意が必要である。食糧自給率、合計特殊出生率、NHK不払い率、有効求人倍率。。。煙に巻かれそうな話が沢山ある。
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