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グレーゾーン

そもそも政治の世界にはグレーゾーンの議論が多いわけで、むしろ明確に白黒はっきりするようなものは少ない。そして最近新聞などでもよく取り上げられる、いわゆるグレーゾーン金利の問題もその一つである。

実は私の事務所にも両陣営が陳情に来られた。まずお越しになったのは、貸金業界の代表者の方々。グレーゾーン金利を撤廃することが、かれらの業界の存亡に関わる。さらに、撤廃はヤミ金被害を増やす。それが彼らの主張である。そしてその一週間後、今度は日弁連が陳情に見えた。多重債務者。年間3万人を超える自殺者のうち、8千人が経済的な理由。そのうちかなりの割合で多重債務者が、命を絶ち、その生命保険金で債務を返済している、と。

この問題のように、世間一般でかなりよく知られた問題で、しかも両陣営から180度違う陳情を受けると、政治家は大変悩むことになる。しかし、やはり何と言っても命の問題は重いのではないか。グレーゾーン金利の廃止がヤミ金被害を増やすというのなら、それへの対策は講じつつ、しかしやはり経済的に困窮している人にお金を高利で貸し続けるという、悪循環は絶たねばならないのではないか。しかも、そういう方は銀行からお金が借りられないから貸金業界に行くというが、大手銀行が今や貸金業界を含むグループ経営をしていて、貸金業界に資金を低利で提供しているのが大手銀行なのである。つまり一体経営なのである。

この問題は秋の臨時国会でもかなり注目されるのではないか。自民党内でも割れているようだ。しかも、貸金業界に加えて、アメリカ政府が例によって圧力を掛けてきている。金利を規制するな、と。いずれにせよ、私の眼目は、世界第二の豊かな先進国で、年間3万人を超える自殺者が毎年出ているという、この国として恥ずべき悲しむべき異常事態を一日も早く終わらせるということである。その国に生まれた人々が、すべからく自らの寿命を全うすることすら叶わぬようでは、いくら先進国と胸を張ったところで、その国はどこかで大きな間違いを犯している。ある弁護士の方が仰った、「経済的に困窮している人には、お金を貸すのではなく、福祉政策の手を差し伸べるのが筋である」というのは、全くその通りであると思う。

 
   
2006年9月9日
田嶋 要
 
 


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