|
言い古されたことわざである。しかし全く古びることなく、今日までそれは見事に通用する。前福島県前知事の逮捕は、まあ今更驚くに足りない古いタイプの政治家の不正であるが、やはりその根本原因は4期18年の長きにわたって権力の座に着いていたことだろう。真相究明はこれからだろうが、新聞やテレビでの前知事の発言を聞いていると、前知事は本当に自らのやってきたことが違法性のないことだと信じていたのかもしれない、とそんな印象すら受けた。自分の出る予定のゴルフコンペにひとりでも建設業者がいることが分かっただけでコンペをキャンセルしていた、という脇の締めようも、一見見上げたものなのである。だが、もしそうだとしたら尚のこと、どんな人物が知事(というか首長一般)になろうと、その「職」にいること自体が、やがては法を犯す同じリスクが高まるということだ。岐阜県や和歌山県でも時を同じくして県庁をめぐる驚くような事実が表面化している。
権力は腐敗するのだ。そして一事が万事、いったん腐敗してからの治療は大変である。であれば、腐敗を予防する方がよほど賢明だ。では、選挙民が選挙を通してその予防策を講じる(多選候補を応援しない)ことが本当にできるのか。現職が選挙に強いということは、それが難しいことを実証している。また、議会の議員を同じような選挙で投票する選挙民が、首長選挙のときもさほど多選を気にかけないとしても無理は無い。全国の選挙民が今回の一連の知事周辺の事件を機に、首長の多選を忌避するようになることを辛抱強く待つのも結構だが、一定の多選制限も検討するときがきているような気がしてならない。
|