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ブロードバンド社会が進展目覚しいが、最近私はそれがもたらす危機管理としての有益性がもっと強調されるべきだという思いを強くしている。決定的だったのは、先日報告を受けた新型インフルエンザの危機である。報告によれば、人から人へと感染するこの病気が5年以内に日本に蔓延する事態が起こることは間違いがなく、20世紀初めに日本で45万人が亡くなったスペインかぜから推定するに、およそ200万人の犠牲者が予想されている。もちろん今からの準備を怠れば、だ。
医療機関でのワクチンや抗ウイルス剤の備蓄、家庭での食糧備蓄などの準備に加えて、社会的規制の重要性を過去の経験は示している。スペインかぜの蔓延の際、米国セントルイス市とフィラデルフィア市との市民死亡率の大きな差は、市長が「篭城命令」をいつ出したか、によるという。外出禁止である。そんな事態になっても社会経済活動の麻痺を最小化するためには、敢えて平時の今からブロードバンドをフルに活用したワークスタイル、ライフスタイルを国民挙げて推し進めておく必要があると考えるのだ。情報化時代の普段からの「消防訓練」と言ってもよい。それに要するコストは、どのみち将来実現する社会を前倒しで実現するコストであり、新型インフルエンザ蔓延により予測されている経済的損失(GDPの約4%)に比すれば、間違いなく微々たるコストなのである。
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