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米国との距離感


フランスで新しい若い大統領が誕生した。意外だったのは、色々な意味で伝統的には米国に対するライバル意識の強いはずのフランス国民が、米国型社会の構築をめざすと明言する政治リーダーを選択したということだ。少し残念な気もするし、危うさも感じる。が、それだけ今日のフランス社会の閉塞感が強いということなのだろう。

そして、イギリスではブレア政権が事実上終わった。16年ぶりの労働党政権、「教育、教育、教育」と、高い支持率で彗星のごとく現れた政権は、イラク戦争で米国と足並みを合わせ、泥沼化していくなかで、完全に国民の支持を失った。「自国にとって正しいと信じることをやった」というのは、彼の本心であろう。欧州の中でも米国とは特別な歴史的つながりのあるイギリスには、振り返ってもその選択しか取り得なかったのだろうか。

欧州の2つの大国が、どちらも「米国との距離感」という意味で、歴史的に大きな節目を迎えたわけだが、その節目は日本にも来ている。今日、参議院で国民投票法案が通過した。憲法改正の問題も、突き詰めれば、21世紀のわが国が米国との距離感をどのようにしていくか、という問題とも言える。危うさを感じる安倍総理による集団的自衛権の議論の行方など、勇ましい議論のみで後世に禍根を残すことにしてはならない。

 
   
2007年5月11日
田嶋 要
 
 


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