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渡部恒三先生の話


会期延長を可決した今日の本会議の前に聞いた、代議士会での渡部恒三先生の話には驚いた。渡部先生は昔、自民党時代に国対委員長をされていたことがあるが、その職責の期間にたった一度だけ、強行採決をやろうとした。予算に関してである。そして、それを自民党総務部会で諮ったところ、ある代議士が手を挙げ、強行採決に反対して、こんなカッコいいことを発言したのだという。「予算と民主主義と、どちらが大切なんだ!」

民主主義というのは、言うまでもなく多数決で決まる。しかし、もしそれで多数側が何でも少数意見を無視して決めるのであれば、選挙で多数が決定すれば、あとは議会が不要になる。だから、国会というところは、野党の意見を国民の声として、多数の与党が真摯に耳を傾ける場なのだ。そういった、与党の矜持のようなものが、古き良き時代の自民党にはあったというのだ。

その発言の主が、今の衆議院議長、河野洋平氏である。強行採決14回、そして先日の懲罰委員会での全く常軌を逸した与党の行動を追認してしまった河野議長は、今日の渡部恒三先生の披露した、ご自身の若き時代のエピソードを覚えていないのであろうか。衆議院議長権威の失墜であり、民主主義の劣化である。

 
   
2007年6月22日
田嶋 要
 
 


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