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同意人事


立法や予算のようなものとは違い、国会の活動としてはなんとなく地味な印象のある同意人事が、いま大変注目を集めている。日銀総裁の件である。野党の反対で、総裁人事は参議院本会議で否決された。もっとも、なんとなく地味という印象それ自体が、先の参議院選挙前までの、自民党が衆参の多数を占める状況の産物なのだが。

このことを巡っての地元での民主党への風当たりはかなり強い。日銀総裁という、国の経済・金融の舵取りを行う、枢要なポストの人事を、政争の具にするな、というご批判だ。「天下りだってなんだって、立派な人ならいいじゃない」こんなことも言われた。確かに、構図として、こういう場合には反対をしている側が、スムーズな進行を止めている悪者に仕立てやすいが、しかしもう少し考える必要があろう。根っこの問題は、道路特定財源の期限切れと同じで、参議院選挙後の、いわば本来確率的に5分5分で起きうる現在の“ねじれ”という不慣れな状況に、主導権を持っている与党が適応不良を起こしている、ということだ。

というのも、民主党は法律で規定をされているルールに則った権限を行使しているに過ぎないからだ。予算や立法、あるいは内閣総理大臣の指名については、いわずと知れた「衆議院の優越」というルールが憲法上に規定されている。つまり、憲法は、今のようなねじれ国会のケースを想定した規定になっているわけだ。だが、同意人事は法律で決められていて、そのような規定がないのだ。提出された人事案を可決か否決か、しかないのだ。別に政争の具にするとか、そういう問題ではなく、野党は野党に与えられている権利を、慎重検討した結果として行使しているに過ぎない。そして、そういういわば制度に無理があるのだから、それを前提とすれば、事前に 協議をし、野党に賛成を得られるような人事案にしなければいけないはずなのである。


 
   
2008年3月13日
田嶋 要
 
 


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