年度末が近づいている。かつて経験したことの無い、緊迫した政治状況である。そして減税や増税を伴う、国民生活に直結した緊迫感である。もちろん、この緊迫感は、今の日本にとって必要不可欠なものである。今までの一党独裁で形骸化していた議会制民主主義が息を吹き返した証左だからだ。そして、まともな日本の国づくりを始めるための、産みの苦しみであるからだ。
こういうとき、必ず出てくる批判が、「民主党は何でも反対ばかりしている」というものだ。地元でもしょっちゅうである。これは正しいのか。私は実際のところを調べてみた。過去5年間で、民主党が反対した政府提出法案は3割程度だった。つまり7割方は賛成だ。にも関わらず、では、どうして冒頭のような批判がよく出てくるのか? 錯覚の原因は至って単純である。民主党が賛成する政策は、話題にならないからである。言い換えれば、民主党が反対をするときに初めて、マスコミが大きく取り上げるからである。マスコミの立場に立てば、それも合点が行く。テレビは視聴率、新聞は発行部数が命だからだ。情報の受け手である国民が、そのところをよくわきまえなければ、冒頭の「民主党は何でも反対ばかりしている」という誤った思い込みをしてしまう。そして、国民のその誤った思い込みが、自民党の半世紀以上の一党独裁を助けてきたのだ。
ところで、皆さんは、毎日、新聞を何紙読んでいるだろうか?5紙も6紙も読んでいる人は余りいまい。大抵の国民は、自分の家で購読している一紙、せいぜいもう一紙であろうと思う。そして、それが、第二の錯覚の原因である。というのも、新聞は、中立な顔をしていて、全く中立ではない。そして、それぞれの新聞が、権力からの距離が違う。にも関わらず、一紙しか読む習慣が無ければ、自然とその新聞の主張が正しいものに思えてくるものだ。そして、仮にそれが民主党に批判的なスタンスの新聞(ご想像に任せるが)であれば、「民主党は何でも反対」という事実に反することも、有権者の頭に、それが事実であるかのように刷り込まれていく。メディアは恐ろしいのだ。心して付き合うほかはない。
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