【かなめ日記】「萎んだ96条先行改正」

かなめ日記

今日、慶応大学の小林節教授のお話を初めて直接伺いました。事前の役所からの説明では、96条先行改正に反対しておられる代表格ということだったのですが、印象的だったのは、その当人が今日まで一貫して、憲法改正論者だということ。そして、いわゆる護憲派とはずっと対峙してきた人だということ。にもかかわらず、今回は両者が歴史的歩み寄りをして、96条先行改正という点では完全に足並みを揃えた、ということ。ユーモア交えながらそんなお話しをして頂きました。

小林氏によれば、先週、自民党の某現職代議士が教授の部屋を訪ねてきて、96条先行改正の論争は自民党が小林先生に完敗した、ということをわざわざ伝えてきたそうです。私もそれで落ち着くところに落ち着いたのだと思います。今後は、堂々と現行憲法に則り三分の二を獲得して、憲法改正の発議をしていけばよいのです。もちろん、その前に、肝心のどこをどう変えるか、という中身の議論を国民的にもっともっと盛り上げていかねばならないと思います。

最後に、会場のある方の発言を受けて、教授も全く同感だ、とおっしゃった比較論が大変印象的でした。ドイツと日本の比較です。ドイツは、あの忌まわしきナチスの記憶がある。そしてそうした記憶のもとに、立憲主義に基づいて国家権力を監視する憲法を、より良きものとしていきたいと考える。つまり、ドイツ国民は、自国の憲法が好きだからこそ、改正をする。そして、実際に、三分の二の発議により、50回以上の憲法改正を実現している。翻って日本は、どちらかというと自国の憲法が嫌いだから、改正を唱える。それでは国民的な大きな改正の機運が生まれず、実際、三分の二の発議にも至っていない。日本の憲法にもいろいろ課題はあるものの、やはり戦後今日まで憲法に守られて素晴らしい日本が出来上がった、そのような考え方のもとに、より良き憲法への改正を考えれば、大きな国民的議論の流れになっていくのではないか。こんな内容でした。


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