【現地本部長日記】「窒素封入」

掲載日:2011.07.15

3号機に昨日からいよいよ窒素の封入が始まりました。これが待ちに待った事象である理由は、窒素の封入が水素爆発を未然に防ぐ決め手であるからです。1号機と2号機とは既に継続して封入が行われていますが、3号機は最近まで線量が高くて近づくことが困難でしたが、爆発時の瓦礫処理などが進み、ようやく環境が整いました。そして、重要なことは、今回の開始により、来る19日に想定されている「事故収束に向けた第一ステップの終了」が秒読み段階に入ったということです。

過去に撒き散らされた放射性物質の多くは、3月の一連の水素爆発が主な原因と考えられます。そして1号機から3号機までの窒素封入が安定的に行われれば、今後はもう水素爆発の不安から解放されることになります。そもそも3月に一連の爆発を契機として、避難区域を拡大していった経緯からすれば、その爆発の再発防止を果すことによって、今度は設定された区域の縮小・解除に向けた条件の一つが達成されたということになります。もちろん、爆発が起きないことは、そのための十分条件ではありません。地域の線量のレベルのチェックなどをしっかり行い、原子力安全委員会からの助言も受けながら、避難住民に関わる重要な意思決定が政府によって今後行われていくことになります。

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