検査率と投票率

掲載日:2020.08.05

 PCR検査率と国政選挙投票率。この2つの「率」の共通点は何だと思われますか?答えは、どちらも先進国の中で日本が最下位あるいはそれに近いと言う点です。これら2つの低い「率」が実は無関係ではないことをご説明をいたします。

 感染拡大が止まらない日本の新型コロナですが、この数ヶ月間の世界各国の取り組みで分かった事は、人口あたりの検査率を増やさなければ感染拡大を押さえ込む事はできないと言うことです。国会で私たち野党もそれを主張し始めて既に5ヶ月ほど経過をしていますが、ようやく最近になって安倍総理も、検査の大幅拡充と言う言葉を口にするようになりました。安倍内閣のコロナ対応が、死亡者数の多寡にかかわらず、国際的な調査で先進国で最下位と言う厳しい評価を自国民から受けているのとは対照的に、高い評価を得ている政治リーダーが、ニュージーランドのアーダーン首相、そしてもう1人がドイツのメルケル首相です。台湾の蔡英文総統も、天才と言われたオードリー・タン、デジタル担当大臣を抜擢したことで一躍有名になりました。奇しくも3人とも女性、そしてオードリー・タン氏は性的マイノリティです。

 全世界がほぼ同時期にコロナと言う同じ災いに見舞われたため、今回、図らずも各国の政治リーダーの決断力や判断力、そして説明能力が白日のもとにさらされました。(余談ですが、都道府県知事等の首長も今回能力の差が歴然としました。)多くの日本人がもう気がついていることと思います。残念ながら日本の今の政治のトップリーダーたちが世界的には相当レベルが低いと言うことを。

 ではなぜ日本の政治はそんな残念な状況になってしまったのか?それを突き詰めて考えていくと、結局はその根本原因が我が国の国政選挙を含めた低い投票率です。

 2人に1人が選挙に行かない中で選ばれるのが日本の政治家。必ずしも若者や女性を含む大多数の国民を代表してはいないのです。投票率が低ければ、昭和の時代から脈々と続く利権(森友や加計)と金権(河井夫妻)と世襲(高い確率で閣僚に上り詰める)が選挙で圧倒的に有利なことは、容易に想像できます。そして政治が男中心(先進国で突出)にもなります。つまり、これらがいまだに幅を利かす日本の政治は、およそ先進国の政治とは程遠いものなのです。

 誰も使わないアベノマスク。感染拡大に合わせるかのようなGo Toキャンペーン。そして遅々として増えないPCR検査。日本の政治は大丈夫か?日本の政治リーダーは何を考えているのか?海外でそんなことが囁かれているとさえいわれています。

 投票率が例えば10%上がれば、利権や金権や世襲の政治を終わりにできる可能性が大きく高まります。そして利権や金権や世襲に依存しない、まっとうな政治を切望する有権者の声の受け皿として私たち野党が結集することで、世界に恥じない優れた政治リーダーを私たちの手で作り上げるスタートラインにようやく着くことができるのです。だから、今こそ、投票率10%アップの運動が必要なのです。選挙が始まってからでは間に合わないのです。利権、金権、世襲に対抗するには、今、動くことです。投票率アップは、日本の政治の新しい扉を開く鍵なのです。

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