【現地本部長日記】「「安全」な数値、「安心」な数値」

かなめ日記 現地本部長日記

某週刊誌が「福島市が一番危ない」などと書きたてたこともあり、いま私が駐在している福島市では、放射線量に対する不安が日増しに強くなっています。新聞で発表される市内の線量は約1.3マイクロシーベルト毎時(千葉県は約0.03毎時)。先日の日記にも書いたとおり、着任した6月1日から自分で測定した結果、私自身の被曝量は一日に約3.0、つまり約0.13マイクロシーベルト毎時です。コンクリートの建物の中にほとんど一日中おりますので、新聞の公表数値の1/10程度なのです。もちろん、これでも千葉に比べれば遥かに高い数値ですが、実際に測定して見ますと、普通の日常生活では「安全」な数値の範囲内です。

しかし問題が無いわけではありません。私のように一日のほとんどを屋内、特にコンクリートの中で過ごす人ばかりではないからです。例えば、農家の方々は、一日の相当時間を屋外で過ごします。建築土木や警備のお仕事の方もでしょう。また、放射線により敏感な子どもたちは、外で遊んだり、スポーツをしたり、土や草木の多い所に行く可能性も高いと考えられます。

実際に生活空間のいろいろな所を測ってみました。まず、宿泊しているホテルの部屋は約0.05毎時。ところが部屋の窓際では0.11に上がる。外に出ると一気に跳ね上がり、舗装道路は0.5。同じ道路でも、交通量の多い道路では数値が低く出ます。また、植木に近づくと1.0。近くの公園では1.5。地下道に入ると突然0.1に下がります。私の職場がある県庁前の歩道では最高で1.8マイクロシーベルト毎時まで出ました。要するに、「安全」のレベルはクリアしていても、特に子どものいるご家庭や農家にとっては「安心」のレベルとは言えない現状なのです。

客観的な数値に基づく「安全」と違って、「安心」とは人の主観によるものです。人によって不安感・心配の大小は異なります。今後、私がここ福島での現地対策本部長として留意せねばならないことは、内部被曝測定やホットスポット対策などを具体的に実施する際に、この一人ひとりで異なる「不安感」をしっかり受け止め、いかに柔軟な支援策・保護策を打ち出していくか、だと思っています。


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